北沢志保
(私はその日の仕事をキャンセルすると事務所の小鳥さんに電話伝え、ある場所へ向かっていた)
北沢志保
……この道でいいのかな。前に来た時は夜だったし暗かったからなぁ。
北沢志保
(私は先日、プロデューサーさんと一緒に一度行ったことがある…)
北沢志保
(avantglassを探していた。)…この公園から走って行ったんだから…///。こうね。
北沢志保
あの時は慌てて走らされたからなぁ…確か3ブロック位走って、この路地を入って行ったよね…
北沢志保
あのすみません。(私は道を尋ねる為にビジネスマン風の通行人に声をかけた。)
北沢志保
すみません。この辺りにあるavantglassというお店を知りませんか?
北沢志保
「あぁ…それなら、目の前です。おや?貴女、確か…」あ…ジョージさん…ですか?
北沢志保
「あぁ…やっぱり。その説はありがとうございます。」
北沢志保
いっ…いいえ、私は彼に連れてきて貰っただけですから。(あの時はわからなかったけど…)
北沢志保
(ジョージさんは名の通り50歳位の英国人紳士で彼よりも深みの有る大人に見えた。)
北沢志保
「今日はどうして此方に?」今日は私がジョージさんにお聞きしたいことがあって伺いました。
北沢志保
「いけませんよ?」えっ?「若い女性がこの様な店に一人で来るなんて…」あっ…すみません。
北沢志保
「まあ、大人の説教はこれ位にして彼方に行きませんか?」
北沢志保
(ジョージさんは向いの通りにある喫茶店を指した。)
北沢志保
「こんな私に会いに来てくれたんだから、余程の理由があっての事でしょうからね。」
北沢志保
(そう微笑むジョージさんを見ながら、私は一緒に小洒落た喫茶店へと入った。)
北沢志保
「珈琲を二つ…あ、いやオレンジジュースかな?」お構いなく。「珈琲二つとケーキを貰おうか。」
北沢志保
ジョージさん私は…「ははっ、私の好物なんです。お付き合い下さい。一人では食べ辛いですし…」
北沢志保
そうなんですね。では遠慮無く…「…彼と何かありましたか?」
北沢志保
いえ…そんな事では。「お人好しの彼の事です。何か誤解をされる様な事でもしたんでしょう。」
北沢志保
どうして解るんです?「当たりです?でも貴女の様に私に彼の事聞きに来る女性は初めてですよ。」
北沢志保
…というと?「以前彼は女性を私の店に連れて来た事があるのですが…」
北沢志保
…。「彼とその女性が次に一緒に来る事はありませんでしたからね。」それ以降は一人で?
北沢志保
「はい。いつもグラスに氷を浮かべたスコッチをちびちび飲むと遠い目をしながら…」
北沢志保
「色々話してくれます。」彼女の事も?「いえ、彼は一度も話した事は無いですよ、」
北沢志保
「自分の事だけをゆっくり話すんです。今迄、誰も聞き入れてくれなかったかの様に…」
北沢志保
私…ちょっと誤解してたのかもしれません。「若い貴女には複雑過ぎるかもしれませんね。」
北沢志保
もっと短絡的な事なのかと思っていましたから。「彼は解りやすい人。そう成る事もありますよ。」
北沢志保
「彼の事が好きなんですね?」…はい。でも、この歳で彼を好きと言ってもしょうがないですよ。
北沢志保
「何故です?」彼は今皆の面倒を見なければ成りませんし、そんな余裕なんて…
北沢志保
「でしたら、貴女が彼に憩いを与えてあげればいいんです。笑顔一つ、それで男は頑張るんです。」
北沢志保
「愛する彼女の為ならね。」…ジョージさん私、今日貴方と話せて良かった。
北沢志保
「それは良かった。」帰ったら、彼と話して見ます。「そうして下さい。」
北沢志保
「お互いの理解が二人の関係を深めます。」解りました。「ケーキを食べましょう格別ですから。」
北沢志保
あら本当…。(でも私は味を感じていなかった。)
北沢志保
(プロデューサーさんの力に成りたい。それで心が満たされていたから…)
(台詞数: 37)