矢吹可奈
私の、勝ちだ……っ!!
北沢志保
私の…負け……?
北沢志保
……そうか。これが、敗北か…。
矢吹可奈
約束だよ。今すぐあなたの上官と交渉して、戦争を止めて!
北沢志保
その必要は、ない…。我々も、貴様らと同様に疲弊しているからな…。
北沢志保
私が敗れたことで、全体の士気も大きく下がる。じきに撤退を開始するだろう…。
矢吹可奈
そ、っか……よかった。やっと、この戦争が終わるんだ…!
北沢志保
(そう、撤退するはずだ。情けないことに。……ハルカ、結局お前は甘さを捨てきれなかったな…)
北沢志保
(……この音は、限界が近いか。この艦も、そして……私も)
北沢志保
最後に一つ聞かせろ…。貴様は、何故信じることができる?
北沢志保
思想も種族も違う存在と理解し合えるなどと、どうして信じることができる…?
矢吹可奈
うーん…?そう言われると難しいなー。何でだろうね?
北沢志保
……ふざけているのか?
矢吹可奈
ち、違うよ。でも……うん、たぶん難しいことじゃない。
矢吹可奈
だって、私とあなたは話ができる。意思を通じ合える。お互いのことを、知ることができる。
矢吹可奈
そうして歩み合っていけば、いつかきっと分かり合える……そう考えちゃうのは、変かな?
北沢志保
甘すぎる、考えだ…。そして、話の合わない相手は力でねじ伏せるのか?私のように。
北沢志保
貴様は私を倒し、地球を救ったかもしれない。だが、私の死に意味なんてない。私は、私たちは…。
北沢志保
永遠に生まれ続けるからだ。人が人として生き続ける限り、戦いも、憎しみも、悲しみも…。
北沢志保
私のような、復讐者も……決してなくなりはしない。貴様は、それでも戦い続けるというのか…!?
矢吹可奈
……うん、戦うよ。そうすることでしか、理解し合えないなら。
矢吹可奈
憎しみとか、悲しみとか、怒りとか……言葉じゃ伝えられない想いって、たくさんあると思うんだ。
矢吹可奈
でも、戦いの中にはそれが溢れてる。私も自分の想いを剣に乗せて、感情をぶつけ合うよ。
矢吹可奈
そうすればきっと分かり合える。復讐なんてしなくて済む、平和な世界が作れるって、信じてる。
北沢志保
それは、あまりに遠い理想だ…。
矢吹可奈
そうだね。でも、私は一人じゃない。助けてくれる仲間がいるから、きっとできるよ。
北沢志保
…………。
矢吹可奈
……あの、さ。名前、教えてくれないかな?
北沢志保
なんだと…?
矢吹可奈
あなたと友達になりたいんだ。そうすれば、もう戦う必要もなくなるでしょ?……ダメ、かな?
北沢志保
…………お前、は。
矢吹可奈
ーーッ!!なに、この揺れは!?さっきよりずっと大きい…!
北沢志保
……時間だな。この艦と共に宇宙のチリになりたくなければ、さっさと脱出しろ。
矢吹可奈
それが、ここに来るまでの攻撃で私の戦闘機壊れちゃったんだよね…。あはは、どうしよう…。
北沢志保
間抜けなやつだ。……そこの通路を進んだ先に私の機体が停めてある。それを使え。
矢吹可奈
えっ、でもそれじゃあなたが…!?
北沢志保
私は……もう長くない。貴様の一撃が原因ではないから、無意味に気に病むなよ。腹が立つ。
矢吹可奈
そんな…!せっかく分かり合えたと思ったのに、こんなのって…!!
北沢志保
…………シホ。
矢吹可奈
えっ……?
北沢志保
私の名前だ。……さあ、早く行け!宇宙を護るんだろう!?こんなところで立ち止まるなッ!!
矢吹可奈
っ!!…さよなら、シホ。平和にしてみせるよ。誰もが笑い合える世界を、実現してみせるから!!
北沢志保
…………行った、か。
北沢志保
………………ああ、ひさし…ぶり……。
北沢志保
はは、おねえちゃん…ちょっと……つかれちゃった……。
北沢志保
うん、だいじょう…ぶ……。これからは、ずっと……。
北沢志保
いっしょ…だ……よ………。
北沢志保
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北沢志保
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北沢志保
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(台詞数: 50)