水瀬伊織
ふぅ、ここまで来ればもう良いかしら?
水瀬伊織
というか、ほんとにやまないわね。この伊織ちゃんが久しぶりにこの雨の中相合い傘よ。
如月千早
ちょっと水瀬さん、いきなり引っ張って何なの?今萩原さんを一人にするのは……
水瀬伊織
今プロデューサーからメールがあったのよ。真を派遣するから私たちには外して欲しいって。
如月千早
……だから真、すれ違ったとき意気揚々としてたの?
水瀬伊織
ていうか、千早の携帯にも送信されてたはずだけど?
如月千早
え……あ、本当。ごめんなさい、こまめにメールを確認する文化がなくて……
水瀬伊織
……ま、いいわ。そんなことより問題は、あいつが全部お見通しでしたー、て感じでムカつくこと!
如月千早
プロデューサーが、本当に萩原さんの事に気づいてたのだとしたら……
水瀬伊織
……だとしたらなによ。
如月千早
言い方はとっても悪いけれど……正直、気色悪いわ。
水瀬伊織
ちょっと同感だわ。大人っていつもそうよね。見てないようで全部見てて……
如月千早
知らないようで、何でも知ってる……ね。ねえ、水瀬さん。
如月千早
さっき私が、「誰かに傷つけてもらわないと生きられない」って言ったこと……
水瀬伊織
よーく覚えてますことよ。
如月千早
一人でお茶も淹れられない私が言うことじゃなかったわ。ごめんなさい。
水瀬伊織
……雪歩のお茶、美味しいものね。
如月千早
萩原さんは、暖かいわよね。あの子の良いところは、全て私には無いものだわ……
如月千早
でも、萩原さんは逆に私の事を羨ましがってくれて……うまくいかないものね。
水瀬伊織
……なによ、千早だって人の事ちゃんと見てるじゃない。
如月千早
……この傘、綺麗ね。どこで買ったの?
水瀬伊織
あら!お目が高いわね、この傘はこの前お父様から……
水瀬伊織
て、そんなんで話は変わらないわよ!
如月千早
ごめんなさい、萩原さんの話ね。
水瀬伊織
あの子はね、いっつも泣いてるけど、いっつも誰かの為なのよ。だから今回のもきっとそんな感じよ
如月千早
水瀬さんも、よく見てるじゃない。
水瀬伊織
はいはい、こうしましょう!765プロは皆仲良くてお互い信頼しあってる!OK?
如月千早
……なら、私たちがなんとかしないといけないわよね。やっぱり……
水瀬伊織
なんとかって?
如月千早
……
水瀬伊織
……こ
如月千早
こ?
水瀬伊織
この傘はね?お父様がフランスへ何ぞしに行った時にお土産でもらったんだけど、買ったのは関空ら
如月千早
水瀬さん。
水瀬伊織
あ、傘。
如月千早
水瀬さん、その話を変える手法は私には通じないから……
水瀬伊織
そうよ!何でこんなことで伊織ちゃんがうじうじめそめそしてなきゃなんないのよ!
水瀬伊織
雨が降ったら傘をさす!これ当たり前よ、別に雨に勝負挑む必要なんてないのよ!
水瀬伊織
傘持ってないんなら諦めてどっかの美希みたいに家でグースカ寝てればいいのよ!
水瀬伊織
問題にいっつも立ち向かう必要なんてない!
如月千早
水瀬さん、それはちょっと飛躍し過ぎじゃ……
水瀬伊織
千早にも言ってるのよ!
如月千早
……!
水瀬伊織
あら、いい具合に雨止んだじゃない!早く帰るわよ、雪歩にガツンとかましてやるんだから!
如月千早
……水瀬……さん。
水瀬伊織
ち、千早? なんでいきなり泣い……
如月千早
違うの、雨、雨だから……
如月千早
だから、傘、まだ閉じないで。
水瀬伊織
…………みて、千早。
水瀬伊織
きれいね、傘。
(台詞数: 50)