私だけのぬいぐるみ・その後(ヤンデレ注意
BGM
オリジナル声になって
脚本家
不明
投稿日時
2014-04-25 01:58:12

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北沢志保
ただいま。
矢吹可奈
あっ……。おかえり、志保ちゃん…。
北沢志保
………………。
矢吹可奈
んっ…志保ちゃん、ちょっと痛いよ…。
北沢志保
ご、ごめんなさい。つい力が入ってしまったわ。一人にさせてごめんね、寂しくなかった?
矢吹可奈
ううん、大丈夫……。
北沢志保
そう。……私は寂しかった。本当は一瞬だって離れたくなんかないのに…。
矢吹可奈
(…志保ちゃんに拘束されたあの日からずっと、私は志保ちゃんの部屋に軟禁されている)
矢吹可奈
(縛られてはいないけど、片手がベッドに手錠で繋がれていて部屋から出ることはできない…)
矢吹可奈
(もちろん、初めは私だって抵抗した。手の皮が擦り向けるくらい暴れて、たくさん文句も言った)
矢吹可奈
(でも、志保ちゃんは何も言わなかった。ただ優しく抱きしめるだけ……ちょうど今みたいに)
北沢志保
………………。
矢吹可奈
(志保ちゃんは仕事から帰ってくると、喋ったり着替えるより先に、まず私を抱きしめる)
矢吹可奈
(長いときだと30分はこのまま。どうして抱きしめるのかは……私にはちょっとわからない)
北沢志保
……ふぅ。晩ご飯、作るね。お腹空いたでしょう?
矢吹可奈
あ、うん。少しだけ……。
北沢志保
ふふっ。可奈は育ち盛りなんだから、たくさん食べなきゃダメよ?ちょっと待っててね。
矢吹可奈
(毎日ご飯を食べさせてくれて、一応テレビも見れる。ケータイは使わせてくれないけど…)
矢吹可奈
(手錠もそれなりに長いから、実際そこまで不自由なわけじゃない。運動だってできる……けど)
矢吹可奈
(いつまでこんな生活が続くんだろう。ひょっとしたら一生このままなのかな…)
矢吹可奈
(お父さんとお母さん、心配してるかな。プロデューサーさんにも迷惑かけちゃってるかも…)
矢吹可奈
(……会いたい。お父さんとお母さんに、劇場の皆やプロデューサーさんに会いたいよ…っ!)
北沢志保
お待たせ。……可奈?どうして泣いてるの…?ど、どこか痛いの?
矢吹可奈
……帰りたいよ。お父さんやお母さん、プロデューサーさんや皆のところに帰りたい…!
矢吹可奈
どうして?志保ちゃんはどうして私にこんなことするの!?私、何も悪いことしてないのに…っ!!
北沢志保
可奈、落ち着いて。あなたが怒る気持ちもわかるけど、重要なのはそういうことじゃないの。
北沢志保
私はあなたが好きだから、ここにずっと居て欲しい。あなたは私のことが好きじゃないの?
矢吹可奈
な、何言ってるの?好きとか嫌いとか、そういうことを言ってるんじゃなくて…!
北沢志保
ひょっとして、嫌い…なの?可奈は私のことが嫌い?
矢吹可奈
きっ……嫌い、だよ。こんな酷いことする志保ちゃんなんて好きになれるわけないよ!
北沢志保
……嘘よね?だって可奈はちゃんと私に好きだって言ってくれたもの。何度も、何度も言ってくれた
矢吹可奈
あ、あれはそんなに深い意味で言ったわけじゃなくて…!
北沢志保
大丈夫、可奈のことは全部わかってるから。それ以上言わなくてもいい。
北沢志保
でも、このままだとまたいつかあなたが帰りたくなって泣いてしまうかもしれないわね…。
矢吹可奈
お願いだから、私の話を聞いて…!
北沢志保
……そっか。あなたの帰りを待っている人をみんな消してしまえば、帰らなくて済むわよね。
矢吹可奈
えっ……それ、本気で言ってるの…!?
北沢志保
馬鹿ね、こんな簡単なことも思いつかなかったなんて。少し待ってて、すぐに終わらせて……。
矢吹可奈
だめっ!!……お願い、志保ちゃんやめて…。お願いだから……。
矢吹可奈
もう帰りたいなんて言わない。ずっと志保ちゃんのそばにいるよ。だからもうやめて…!
北沢志保
……わかった。可奈がそこまで言うなら何もしない。私はあなたが居てくれるだけでいいから。
矢吹可奈
(……ああ、そっか。ようやくわかった。もう私がどれだけ頑張っても、どんな風に声をかけても)
矢吹可奈
(私はもう、志保ちゃんからは絶対に逃げられないんだ……)
北沢志保
……可奈?抱きついてくれるのは嬉しいけど、ご飯冷めちゃうよ?
矢吹可奈
いいの。ごめんね、せっかく作ってもらったのに。でも今は何も考えたくないから…。
矢吹可奈
お願い、志保ちゃん。……全部忘れさせて?
北沢志保
……その頼み方、反則よ。わかった、今日は何も考えられなくなるくらい激しくしてあげる。
北沢志保
愛してるわ、可奈。これからもずっと、ずっと一緒にいようね。
矢吹可奈
……私も、愛してるよ、志保ちゃん…。
矢吹可奈
(そう、私は志保ちゃんのぬいぐるみ。それでもいい、だからせめて……大切にしてください)

(台詞数: 50)