如月千早
萩原さん、お茶を淹れてきたから、一先ず落ち着いて、雨は鬱陶しいけれど。
萩原雪歩
うん、プロデューサーがもうすぐ止むって……ごめんね。さっきは取り乱しちゃって。
水瀬伊織
伊織ちゃんが特別の特別に 淹れてあげたんだから、感謝して飲みなさいよね。
萩原雪歩
ありがとう、二人とも…あれ、私の分だけなの?
水瀬伊織
それがどうかした?
萩原雪歩
……結構時間かかったね。
如月千早
……
水瀬伊織
……それは言わないで。
如月千早
それで、プロデューサーと話したのよね、どうだったの?
萩原雪歩
あ、うん。ちょっと話したんだけど……すぐ、また仕事に行っちゃって……
水瀬伊織
何それ?結局何のしないまま雪歩を放って逃げたの?本当に役に立たないわね!
萩原雪歩
あ、違うの。これはね、私がもう分かってる事だからって言ってくれて……
萩原雪歩
あと、雨はもうすぐ止むって……
水瀬伊織
……話を戻していいかしら。雪歩はどっかの誰かに気にくわない事を言われて落ち込んでる。OK?
萩原雪歩
うん……そういうこと、かな。……でも私の事じゃ……
水瀬伊織
あ、もしかして私か千早の悪口でも聞いた?それならもっとくだらないわよ。
水瀬伊織
私も千早も、他人からの評価なんか気にしない事知ってるでしょ?
如月千早
え……?
水瀬伊織
何よ。
如月千早
水瀬さんは、そうでもないんじゃないの?
水瀬伊織
……
萩原雪歩
千早ちゃんだってそんなこと無いよ!私ちゃんと知ってるから!
如月千早
……
水瀬伊織
はいはい!こうしましょ!人間誰だって多少は他人の評価が気になるもの!OK?
萩原雪歩
私は……皆の事、ちゃんと知ってるのに……
水瀬伊織
もう……だからそんな言い方じゃわかんないんだって……
如月千早
ここの人達は、皆いい人よね。
水瀬伊織
また唐突な……なによ。
如月千早
外みたいに、誰も自分を否定しないものね、全く。
水瀬伊織
だから何が言いたいのよ、二人とも吟遊詩人じゃないんだからはっきり喋りなさいよ!
如月千早
水瀬さんも、勿論萩原さんも感じてるでしょ?
如月千早
ここは、私には温かすぎるのよ。
水瀬伊織
なっ……
萩原雪歩
千早ちゃん……
如月千早
もう、誰かに傷つけてもらわないと生きていけないのかもね。
萩原雪歩
……
如月千早
でも、萩原さん。そんな事で悩んでるなら、本当につまらないわよ。
萩原雪歩
うん……そうだよね。分かってるんだけどね。
水瀬伊織
ちょっと千早!それどういうことよ!
如月千早
水瀬さん、頑張るのと気づかない振りをするのは違うわよ。
水瀬伊織
私が、そんなこと思ってるっていうの!?取り消しなさいよ!
如月千早
取り消すも何も、自分で否定すれば良いじゃない。
水瀬伊織
千早!あんた…
萩原雪歩
やめてよ二人とも!!!
水瀬伊織
あ……雪歩、ごめんなさい、二人とも。
如月千早
……いえ、私も大人げなかったわ。
水瀬伊織
……
如月千早
……雨、止まないわね。
萩原雪歩
…………
萩原雪歩
ウソつき。
(台詞数: 50)