舞浜歩
ニューヨークの地下鉄を利用していた頃の話だよ。
舞浜歩
通勤時間に構内で一人ブツブツ言っているホームレスの男がいた。
舞浜歩
男の近くの壁に寄りかかって内容を盗み聞きしてみた。
舞浜歩
目の前をおばさんが通ると男は呟いた。
黒井社長
「豚」
舞浜歩
なんだ、ただの悪口か動物にたとえてるだけか…
舞浜歩
次に、ただのビジネスマンが通ると、
黒井社長
「人」
舞浜歩
あぁ、確かに普遍的人間って感じだ。
舞浜歩
別の日、暇つぶしにまた盗み聞いてみた。
舞浜歩
やつれた男が通ると、
黒井社長
「牛」
舞浜歩
牛?どちらかと言えば痩せた鳥じゃないか?
舞浜歩
次に典型的な肥満の男が通る。
黒井社長
「野菜」
舞浜歩
野菜?豚の間違いだろ?
舞浜歩
それから家に帰って考えてみた。
舞浜歩
もしかしたら、次に生まれ変わる生き物、すなわち転生を言い当ててるんじゃないか!?
舞浜歩
その後、何度もホームレスを観察しているうちに、疑問も確信に変わった。
舞浜歩
ある日、思い切ってホームレスに疑問をぶつけ、
舞浜歩
能力を身につける方法を教えてくれと懇願した。
舞浜歩
ホームレスは淀んだ目でアタシを見つめた後、アタシの頭に手をかざした。
舞浜歩
次の日からホームレスはいなくなった。
舞浜歩
仙人だったのか?はたまた神か?
舞浜歩
アタシは能力を身につけた。
舞浜歩
それは期待するものとは違っていた。
舞浜歩
ただ単に、その人が直前に食べたものだった。
舞浜歩
あまりのくだらなさに笑ってしまった。
(台詞数: 28)