真壁瑞希
また、会えると信じていました。
舞浜歩
『――この凍てついた季節に。』
真壁瑞希
変わりませんね。人の心を読む癖。
真壁瑞希
そして、己を語らないところも。
真壁瑞希
それでも構いません。つもる話もありますので。
真壁瑞希
天界に《徴兵》されて以来ずっと考えていました。私たちのあるべき姿を。
真壁瑞希
たくさんの願いを聞いてきました。叶えられぬ願いもありました。
真壁瑞希
大丈夫、そう囁く度に胸に走る痛み。
舞浜歩
『――私は正しかったのですか?』
真壁瑞希
思えば、私はあまりに幼稚でしたね。
真壁瑞希
喜ぶ顔が見たい一心で、《勲》を立ててきました。
真壁瑞希
あの林檎が食べたいと指差す者がいました。
真壁瑞希
私は店先に並ぶそれをひとつ手に取り、その者に与えました。
真壁瑞希
夫の不貞を嘆く者がいました。
真壁瑞希
私はその夫を縛りつけ、妻に山羊とパンを与えました。
真壁瑞希
死にたいと天を睨む者がいました。
真壁瑞希
私は、その温かな頸部に手を添えて。
舞浜歩
『――それまでわずかな抵抗さえ見せなかったのに。』
真壁瑞希
突如見開かれた目を、揺れる瞳孔を、垂れるよだれを、跳ね上がる首の頑強さを。
真壁瑞希
私は忘れることができずにいます。
真壁瑞希
私は願いというものに恭順してきたんです。
舞浜歩
『――例えそれが、この世界に唾を吐き続けることだとしても。』
真壁瑞希
今なら言える。それは間違いだった。
真壁瑞希
気付いていますか、あなたの髪。
真壁瑞希
その色は青ではありません。
真壁瑞希
疑問でした。眼下を走る紅蓮に、なぜあなたは恬然としているのか。
真壁瑞希
見えていなかったんですね。鍵をかけた瞳では。
真壁瑞希
下界収斂システム《醜の御楯》。
真壁瑞希
あなたは知らない。この世界に溢れる色を。
真壁瑞希
私はあなたを倒します。そして。
舞浜歩
『――再び。』
真壁瑞希
『――地を駆ける。』
真壁瑞希
作戦名《Jailbreak》、状況開始。
(台詞数: 33)