
木下ひなた
なぁ、知っとるかい?

木下ひなた
青いリンゴはしゃべらないんだべ。

木下ひなた
しゃべるんは赤いリンゴなんだわさ。

木下ひなた
あ、でも、都会では赤くてもしゃべらんね。なんでだろ。

木下ひなた
そうだよぉ。あたしの地元じゃ赤いリンゴはみ~んなしゃべるんだわさ。

木下ひなた
木になってるのも

木下ひなた
箱に入ってるのも

木下ひなた
お店に並んでいるのもみ~んな!

木下ひなた
そんでね、あたしらはリンゴさんに聞くんよ。

木下ひなた
「あなたはおいしいリンゴさんですか?」って

木下ひなた
そしたら、答えてくれるんだわ。

木下ひなた
「わたしはおいしいリンゴです」って

木下ひなた
するとな、周りにぱぁっていい香りがするんだぁ!

木下ひなた
あ、でも、中にはウソっこつくのもいるんだよぉ。

木下ひなた
虫食いがあんのに、「おれはうんめぇだぞ」って言うんだ。

木下ひなた
そういうリンゴは「コラッ!」って言って別の箱に分けられるんだわ。

木下ひなた
えっ、捨てるのかって?なして、そっだらもったいないこと!

木下ひなた
ウソっこついたリンゴはジュースになるんだよぉ。

木下ひなた
悪いとこさとって、おいしいところだけギュッと絞ってっから、なまら甘いんだわぁ!

木下ひなた
正直に言えば、切って食べてもらえたんだけんどもねぇ。

木下ひなた
……う~ん、そうだねぇ。やっぱしそのまま食べられたほうが喜んでるねぇ。

木下ひなた
やっぱしリンゴもいい香りをかいで欲しいんじゃなかろか。

木下ひなた
わたしは、青い時にい~っぱいお日さんの光を浴びたんだぞ、って。

木下ひなた
美味しいリンゴをかじるとな、皮から口の中にぱぁ~って甘い香りが広がってな

木下ひなた
そのあとに、シャリって音に合わせて、ジュッて甘い汁が出てくるんだよ。

木下ひなた
口の中でな、どんどんどんどん甘さといい香りがまじりあってな。

木下ひなた
おっと、ちょっこしよだれが。恥ずかしいべさ。

木下ひなた
そうだよぉ!青いうちにたくさんお日さんの光を浴びると甘くていい香りがするようになるんだぁ!

木下ひなた
だからね、ばあちゃんたちは全部のリンゴに日が当たるようにがんばってんだ!

木下ひなた
そ、ウソっこつくリンゴだって、ちゃんとお日さんの光を浴びてんだ。

木下ひなた
だから、ジュースになっても甘い味が出んだべ。

木下ひなた
どんなリンゴだって、美味しくなりたいんだ。

木下ひなた
甘くていい香りを出したいんだ。

木下ひなた
だから、青いリンゴの時にじ~っとお日さんの光を浴びてんだわ。

木下ひなた
しゃべりたいのを我慢してじ~っとしてんだわ。

木下ひなた
だって、しゃべっちまうと美味しい香りが逃げちまうからなぁ。

木下ひなた
だから、青いリンゴを見かけても、しゃべりかけちゃダメだかんね。

木下ひなた
青いリンゴは、ついついしゃべっちゃうんだから。

木下ひなた
あたしらはそっと世話して、見守んだ。

木下ひなた
元気にいい香りになるのを待つんだ。

木下ひなた
わかったかい?
(台詞数: 41)