フィクサー #2
BGM
赤い世界が消える頃
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2016-10-22 01:21:19

脚本家コメント
『あなたを不思議な世界へ誘う物語がここにある』
人物紹介
大神環:メッセンジャー所恵美の闇落ちによってお父さんを奪われた遺児。

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木下ひなた
そこには真っ直ぐな少女がいた。
木下ひなた
「この子はどうも歪みようがないねぇ…」
木下ひなた
でも、全身にずしりと乗っかる違和感があたしにその歪みを感じ取らせる。
木下ひなた
「ああ、あんたかね…」
木下ひなた
「死んでも尚、この世界を歪ませるんだねぇ…」
木下ひなた
返事はない。
木下ひなた
魂の抜けた、ただの器だ…
木下ひなた
あたしの問いかけに答えられるはずもない。
木下ひなた
「悲しいねぇ…」
大神環
「くふふ…たまき、頑張るから見守ってね!」
木下ひなた
「その言葉は、彼の耳には届かないんだ…」
木下ひなた
「ごめんねぇ…」
木下ひなた
皮肉なことに、あたしのその言葉は、彼女の耳には届かない。
木下ひなた
そう、恥ずかしながら、それは、ただの独り言にしかならないんだ。
木下ひなた
ただ、あたしは気になった。
木下ひなた
この歪みきった男の何が、少女をここまで素直にさせたのだろうか…
木下ひなた
気になっちゃったんだねぇ…
木下ひなた
ただ、あたしには使命がある。
木下ひなた
この歪みを正して、軌道修正をするんだ!
木下ひなた
それにはこの男の存在自体を消さなくちゃいけない。
木下ひなた
だから、この少女には悪いけど、消そうとしたんだ…
木下ひなた
「…」
木下ひなた
「……」
大神環
「お父さん、お父さん!」
木下ひなた
「あれ?」
木下ひなた
「おかしいねぇ…能力が行使できないねぇ…」
木下ひなた
この歪みを正す権限があたしにはないらしい。
木下ひなた
そんな馬鹿な話があるわけないんだけどねぇ…
木下ひなた
でも、あたし以上の権限を持つ何かの力がこの歪みをロックしているのかねぇ…
木下ひなた
なら、不本意だけれど、緊急処置をするしかないねぇ…
木下ひなた
何をするつもりって?
木下ひなた
答えは単純明確、簡単だよ。
木下ひなた
この男に関わるすべての者の記憶から、この男の記憶を消してしまえばいいんだよ。
木下ひなた
そうすれば、この男はこの世界に存在すらしていなかったに等しいことになるからねぇ
木下ひなた
この歪みを正す方法は、いまはかれしかない。
木下ひなた
「…」
木下ひなた
「……」
木下ひなた
「ふぅ…完了!」

(台詞数: 38)