木下ひなた
『アイドルって、あの、天海春香とか、その、アイドル…?』
木下ひなた
「そうみたい」
木下ひなた
『そうみたいって…どうするのさ』
木下ひなた
「……どうしよう、かな」
木下ひなた
「あたしなんかが、アイドル、できるのかなって」
木下ひなた
「あんなにめんこく、キラキラってできるのかな…」
木下ひなた
『ばあちゃんたちは、なんて?』
木下ひなた
「あたしのやりたいことなら止めたりせんって…」
木下ひなた
『だったらいいじゃん!』
木下ひなた
『そっか、ひなたがアイドルかー』
木下ひなた
『まずはローカルアイドルとかかな?』
木下ひなた
『あ、僕一番最初にサインもらっちゃおうかな』
木下ひなた
『なーんて…』
木下ひなた
「ほしたら、アイドルなるんだったら」
木下ひなた
「あたし、東京行くんだわ」
木下ひなた
『…え?』
木下ひなた
「………」
木下ひなた
『……東京、って、どこの事務所…』
木下ひなた
「………765プロ」
木下ひなた
『………!』
木下ひなた
アイドル……東京……ひなたが……
木下ひなた
話がどんどん進んでいくから、その時は少し冷静でなかった気がする
木下ひなた
しかも、あの天海春香がいる765プロ
木下ひなた
『で、でも!会えんくなるわけでもなし、焦ることじゃ…』
木下ひなた
「うん……」
木下ひなた
『いつ出発?それまでに遊んでおきたいとかある?』
木下ひなた
「………転校の手続きとかもあるから、来月くらいになるって」
木下ひなた
『じ、じゃあそれまでにいっぱい遊ぼう!』
木下ひなた
『そんな顔してないでさ、いつもみたいに笑って、ほらほら!』
木下ひなた
「……そだね」
木下ひなた
「うん…そだね!」
木下ひなた
『学校の奴らにもさ、遊ぼうって誘おう!』
木下ひなた
「あ、でも、君とはいっぱい遊んでおきたいな」
木下ひなた
『え?』
木下ひなた
「小さい頃からずっと一緒だったし、思い出もたくさんだし」
木下ひなた
「最後まで、一緒がいいな」
木下ひなた
『そ、そっか!それならそうしようか!』
木下ひなた
危なかった……思わずくらりときた……
木下ひなた
で、でも、約束は取り付けたから、あとは、
木下ひなた
あとは、勇気次第
木下ひなた
………でも、アイドル、か
木下ひなた
アイドルに、そういうのって、ダメ、だよな………
(台詞数: 42)