木下ひなた
『はぁ…どうしよう…』
木下ひなた
「なした?そんなおかしな顔して」
木下ひなた
『おかしなって言うな、真剣に考えてるんだから』
木下ひなた
「ごめんごめん、で、どしたの?」
木下ひなた
『ああ、進路希望調査』
木下ひなた
「ああ、そろそろ提出だっけね」
木下ひなた
『うん、ひなたは書いた?』
木下ひなた
「あたしもまだだよ、なかなか決まんなくてね」
木下ひなた
『のんびりだなぁ』
木下ひなた
「あんたに言われたくないよ」
木下ひなた
『あはは、言えてる』
木下ひなた
「でも、そうね、進路かぁ…」
木下ひなた
「やりたいことってないの?」
木下ひなた
『やりたいことか…難しいな…』
木下ひなた
『ひなたはなにかない?』
木下ひなた
「あたしかい?」
木下ひなた
「あたしは…そうだね…」
木下ひなた
「みんなに、笑顔になってもらえるようなお仕事がしたいかなぁ」
木下ひなた
『笑顔か…』
木下ひなた
『ひなたらしいね』
木下ひなた
「そうかい?」
木下ひなた
『うん』
木下ひなた
『でも、そっか…笑顔か…ひなたにピッタリっていうか、ひなたらしいね』
木下ひなた
「?」
木下ひなた
『昔からニコニコしてて、見てて和むっていうかさ』
木下ひなた
「…えへへ、ありがとね」
木下ひなた
『! いや、うん』
木下ひなた
ーーー人を笑顔に、か…
木下ひなた
確かに、ひなたの周りには昔から笑顔が絶えなかった
木下ひなた
明るいタイプとは言えなかったけど、なんていうか
木下ひなた
ムードメーカー……
木下ひなた
ムードメーカー……うん、ムードメーカー、かな
木下ひなた
ひなたといると、落ち着く
木下ひなた
気取らなくてもよくて、カッコつけなくても、ありのままの自分でいいって思える
木下ひなた
だから、そんなひなたを僕は
木下ひなた
僕は、好きになった
木下ひなた
彼女と、一緒にいたいと思えた
木下ひなた
…一緒に、か
木下ひなた
ーーーーよし
木下ひなた
『……ねぇ』
木下ひなた
「なに?」
木下ひなた
『今度さ、夏フェス行かない?』
木下ひなた
「夏フェス?」
木下ひなた
『うん、僕の好きなバンドが出るんだ』
木下ひなた
「ふーん…」
木下ひなた
『うるさい場所はあんまり好きじゃないと思うけど、どうかな…』
木下ひなた
「いいよ、行こうか」
木下ひなた
『本当?』
木下ひなた
「うん、実は興味あったんだ」
木下ひなた
ーーーーやった!
(台詞数: 50)