きつねの でんわボックス(その3)
BGM
あのね、聞いてほしいことがあるんだ
脚本家
Kozzy
投稿日時
2014-07-04 22:42:58

脚本家コメント
 絵本シアター「きつねの電話ボックス」シーン3です。
途中から見る方は、最初から見てもらえると嬉しいです。
 きつねと女の子の不思議な出会いから一夜明けた所から始まります。

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矢吹可奈
『次の朝、きつねは急いで山からおりてきました』
矢吹可奈
(もう一度、あの子に会いたい……。)
矢吹可奈
『そう思って、きつねは電話ボックスの前の草のしげみに座って待ちました。』
矢吹可奈
『……けれども、いくら待っても女の子はやってきません。』
矢吹可奈
『………』
矢吹可奈
『やがて空が桔梗の花より濃い紫色になると、電話ボックスに ぽっと明かりがともりました。』
矢吹可奈
………あっ、
矢吹可奈
『すると、それが合図のように ぱたぱたと足音が聞こえてきたのです。』
木下ひなた
♪~
矢吹可奈
『やっぱり昨日の女の子でした。女の子は、昨日と同じように電話ボックスに入ります。』
矢吹可奈
(よかった、来てくれた!)
矢吹可奈
『きつねは嬉しくなって、耳をすませました。すると、』
木下ひなた
母さん、会いたいよぉ……。
矢吹可奈
『女の子が、突然あまえるように言ったのです。』
矢吹可奈
『きつねには、それが子ぎつねの坊やが生きていて、そう言ったように聞こえました。』
矢吹可奈
(えぇ……母さんもよ!)
矢吹可奈
『きつねは思わず女の子を抱きしめて、ぺろぺろなめてあげたくなりました。』
矢吹可奈
『でも、そんなことをしたらどうなるでしょう。』
矢吹可奈
『女の子は驚いて、逃げてしまうに決まっています。』
矢吹可奈
『きつねは尻尾を抱いて、じっと我慢しました。』
矢吹可奈
『………』
矢吹可奈
『それから、電話ボックスの明かりがつく頃になると、』
矢吹可奈
『きつねは決まって山を降りて、女の子を待ちました。』
木下ひなた
母さん。今日、ばあちゃんと駅に行ったんだわぁ。
矢吹可奈
そう、よかったわね。楽しかった?
木下ひなた
それから、アイスクリームを食べたんだよぉ。ばあちゃんの分まで、ぜーんぶ。
矢吹可奈
あらあら、そんなに食べて。お腹壊さなかった?
矢吹可奈
『女の子の言葉に、きつねは知らず知らず返事をしていました。』
矢吹可奈
『話を聞いている内に、女の子は おばあさんと二人暮らし。』
矢吹可奈
『お母さんは、遠くの町で入院しているらしいのです。』
木下ひなた
母さん、いつか海に行こな。それまでは、電話でいいんだ。
木下ひなた
あたし、電話でも母さんの声が聞けて嬉しいんだわぁ。
矢吹可奈
そうよ……、母さんも嬉しいわ……。
木下ひなた
母さんって、あたしが嬉しいと、いつも嬉しいって言うんだなぁ。
矢吹可奈
……えぇ、そうよ。……そうよ。
矢吹可奈
『きつねは、いますぐにでも女の子を抱きしめたい気持ちを我慢しながら、』
矢吹可奈
『何度も、何度もうなづきました。』
矢吹可奈
『その4に続く』

(台詞数: 38)