矢吹可奈
「可奈ちゃんは大きな声で、元気に歌いますね～。」
矢吹可奈
私が幼稚園の頃、みんなと一緒に歌をうたった時。先生に褒められた事がある。
矢吹可奈
そこからだったかな。歌が好きになったのは。
矢吹可奈
だから思い思いに歌にして、元気にうたった。
矢吹可奈
その度に、先生に褒められた。
矢吹可奈
そんな時、テレビで女の子が歌をうたっている姿を見て、
矢吹可奈
私も、あぁなりたい!と思った。
矢吹可奈
でも、小学校の高学年になり、音楽の先生に言われた一言…。
矢吹可奈
「誰、1人だけ大きな声で音程外してる子は?」
矢吹可奈
最初、自分がそうだとは気づかず、それがわかった時はショックだったな…。
矢吹可奈
自分の歌が、みんなの妨げになる。いつしか私は小さな声で歌うようになった。
矢吹可奈
テレビで元気に歌っている子を見る度に、アイドルへの憧れは膨らむ。
矢吹可奈
でも、それに比例して、「私は歌が下手だから。」と自分を抑えつけていた。
矢吹可奈
けれどある日、「青い鳥」を歌う青髪の歌姫の声に、惹かれていた。
矢吹可奈
その時、決心がついた。
矢吹可奈
少しでも、この人に近づきたいと!
矢吹可奈
その一心で、私はアイドルを志した。
矢吹可奈
当然、同級生には「なれっこない」って笑われたけど…。
矢吹可奈
実際レッスンは厳しいし、同期の子はどんどんデビューしていくし、差が広がる一方…。
矢吹可奈
ある子に対しては、冷たい態度を取られたりして、辛かったな～。
矢吹可奈
でも、その子が言っていた。
矢吹可奈
「可奈の歌は、確かに上手くないわ。」
矢吹可奈
「でも、元気を与えてくれる気がして、私は好きよ。どうして小さな声で歌うの?」
矢吹可奈
あの一言は、本当に嬉しかった…。
矢吹可奈
なにも気にする事なく。歌えばいいのだ。
矢吹可奈
大きな声で、元気よく!
矢吹可奈
まだ、みんなに比べたら全然上手くないけどね。……えへへ。
矢吹可奈
………
矢吹可奈
そして今、私は大きな舞台に立とうとしている。
矢吹可奈
とはいっても、まだメインではない、会場を暖める前座みたいなものですけど…。
矢吹可奈
まだ全然至らない私だけど、昔の私に問いたい。
矢吹可奈
(自分がなりたいアイドルになってる?)
矢吹可奈
(目指そうしていた人に、少しでも近づいてる?)
矢吹可奈
答えはわからない…。
矢吹可奈
でも今は、私が出来る力を出し尽くして歌うだけ!
矢吹可奈
でも今は、私が出来る力を出し尽くして歌うだけ!…だよね。
矢吹可奈
ふと後ろを見ると、私と二人三脚で頑張ってくれたプロデューサーさんと、
矢吹可奈
今の私にさせてくれた、一番の友達が、私を見守っている。
矢吹可奈
緊張で両足が震えていたけど、自然とおさまっていた。
矢吹可奈
「可奈あんし～ん♪勇気もうし～ん♪」
矢吹可奈
それでは行ってきます!私の歌声を、
矢吹可奈
大きな声で!
(台詞数: 42)