矢吹可奈
ただいま～。ごめん、鍵は見つからなかったよ…。
北上麗花
おかえり可奈ちゃん。鍵なら大丈夫だよ～、今私が持ってるから。
矢吹可奈
…え、えええっ!?やっぱり麗花さんが持ってたんですか!?
永吉昴
あーいや、そうじゃないんだ。今さっきアカネが鍵を渡していったんだよ。
矢吹可奈
アカネが…?
永吉昴
たぶん見つからないだろうからスペアを渡しとく、ってさ。だったら最初から鍵なんかかけるなって
北上麗花
でも、それだと誰でも証拠隠滅ができちゃうから、アカネちゃん的には面白くないんじゃない?
永吉昴
あー、そういう事。…麗花って時々鋭いよな。
矢吹可奈
(…そっか、志保ちゃんが言ってた意味がわかった。たぶん今鍵を持ってるのは…)
永吉昴
ま、いいや。鍵も手に入った事だし、さっさと中調べようぜ。
北上麗花
わー、結構広いんだね～。
永吉昴
掃除当番なのに入った事なかったのかよ…って、そもそも仕事する前に代わったんだっけか。
矢吹可奈
…なんか、綺麗だね。ここは事件とは無関係なのかな…。
永吉昴
いや、そうとも限らないんじゃないか。
矢吹可奈
どういう事?
永吉昴
もしもの話だけど、犯人が自由にトラッシュルームを行き来できたんだとしたら…
永吉昴
痕跡を残さずに、綺麗さっぱり証拠隠滅してたって不思議じゃないよな?
矢吹可奈
そう…だね。特に夜時間なら誰かがこっそりトラッシュルームに居ても気付かないかも…。
永吉昴
流石に全部燃やされちまったらお手上げだぜ…。
北上麗花
ねえねえ二人とも、これ見て!
矢吹可奈
何か見つけたんですか?
北上麗花
ほら、ここ!焼却炉の中!
永吉昴
…何だこれ。真っ黒だけど、鍋…か?
矢吹可奈
何でこんな物が焼却炉の中に…?いや、そもそも誰かここを使った事ってあるの?
永吉昴
オレは今日初めて来たよ。そもそも掃除当番の存在すら知らなかったし。
北上麗花
私も。たぶん未来ちゃんも含めて、誰もトラッシュルームに入った事ないんじゃないかな。
矢吹可奈
そうですか…じゃあこの鍋はいったい…?
永吉昴
他にも何か鉄クズみたいな物が見えるけど、ほとんど灰と一体化しててよくわかんないな…。
北上麗花
あ、ここで火力の調整ができるみたい。きっと火力が弱くて燃やし尽くせなかったんだね～。
矢吹可奈
(これは、ひょっとしたら重要な証拠になるかもしれない…)
矢吹可奈
【『トラッシュルームの焼却炉』を手帳に記録しました】
永吉昴
…よし、鉄格子下ろすぞー。…あんまり目ぼしいモンは見つからなかったなぁ。
北上麗花
頑張って調査したからお腹空いちゃった～。私、食堂で休憩してくるね♪
永吉昴
お、いいな。じゃあオレも…
矢吹可奈
待って、昴ちゃん。ちょっと聞いてもいい?
永吉昴
ん?何だよ急に。
矢吹可奈
あのさ、ここから鉄格子越しに焼却炉を起動させる事って出来るかな…?
永吉昴
…まさか、こっから何かを投げてスイッチに当てる…なんて考えてないよな?
矢吹可奈
可能性は無くもないんじゃないかなーって…。
永吉昴
アホか!無理無理、絶対無理!届く訳ないって!!
矢吹可奈
『超アイドル級の野球選手』の昴ちゃんなら、って思ったんだけど…。
永吉昴
無理なものは無理!いいか、まず鉄格子の隙間が小さすぎるんだよ。ほら、握り拳だって通らない。
永吉昴
スイッチを押すって事はそれなりの大きさと重さが必要だけど、そんなモンまず通らねーよ。
永吉昴
だいたい女の肩じゃあそこまで飛ばねーし、投げた物は回収できないから証拠が残っちまう。
永吉昴
だから、焼却炉を起動させるには鍵持ってないと無理なの!わかったか!!
矢吹可奈
う、うん。ありがとう。ごめんね、どうしても気になっちゃったから。
矢吹可奈
【『昴の証言』を手帳に記録しました】
永吉昴
…ま、いいけどさ。オレはもう行くぜ。可奈もあんまり無理するなよ?
矢吹可奈
うん、ありがとう。またね。
矢吹可奈
(一通り怪しい所は調べ終えたかな。最後にこのみさんと瑞希さんの様子を見に行こう)
(台詞数: 50)