如月千早
………………いつの間にか12時をまわってる……もう3日なのね。
四条貴音
そうですね。時間とは真、いけずなものなのですね…
如月千早
…四条さん、いつから居たんですか?というか、こんな時間に何を?
四条貴音
本来、人とは陽の光を浴び生を営む生き物です。しかし、夜はその光はありません……
四条貴音
では、月のか細い灯りの下、私たちは何を標として歩いていけばよいのでしょう?
如月千早
…………
四条貴音
………………らぁめんです。
如月千早
…………
四条貴音
深夜、それは日中眠っていた内なる食欲と言う名の獣が目を開け、動き回る時間なのです。
四条貴音
本当は行きつけのらぁめん店に足を運ぼうとしていました。ところが、目の前にあるは屋台の文字…
四条貴音
食物とは一期一会…もしかしたら最初から私と屋台はちぢれ細麺と言う名の赤い糸で結ばれて…
四条貴音
いえ、その話はいずれまた…こんな時間に千早と逢えるとは、私たちもちぢれ細麺と言う名の……
如月千早
四条さん、私に何か用でしょうか?
四条貴音
その様な顔で月を見上げるあなたを見つけたら…私でなくとも声をかけるでしょう。
如月千早
………………
四条貴音
人が月を見るときは、地上に嫌気がさしたとき…月に恋い焦がれてしまうときだけなのです。
四条貴音
ですがあえて申しましょう千早。月に何を願おうと、あのように薄く灯るだけです。
如月千早
……私は、自分がどうしたいのかわからないだけです。…理解する方法も、わかりません。
四条貴音
ですから千早、今あなたの前に私が立っています。
如月千早
……四条さん、私は一体何なんでしょうか?伝えたい事は沢山あるはずなのに、何も言葉がでなくて
四条貴音
わからない事はないはずですよ。あなたは歌が歌えます。歌が素晴らしい物だと知っています。
四条貴音
歌と言う物を本気で素晴らしいと思える人間に、出来ないことなど無いはずなのですが……
如月千早
いつだったか同じような事を言って頂きましたね。全て歌と同じよに考えれば上手くいくと……
如月千早
歌を歌うときは、自分の中の誰かと語り合うときがあります。その歌の人物と……
如月千早
…でもその誰かは、私の中に在る以上、私でしかありません。結局人は自分の中でしか歌えません。
如月千早
例えそれがあの子であっても、私の中では私なんです。では、その子に何が伝えられるでしょう?
四条貴音
千早、あなた……さては不器用ですね。
如月千早
…………
四条貴音
あなたは物事を真剣にしか考えられないのですね……ですが、故にあなたの言葉はとても重い。
四条貴音
真剣に話すあなたが、生きることすら真剣なあなたが、伝えられない想いなどありません。
如月千早
……ごめんなさい、今一つよくわかりません。
四条貴音
……さっき月は薄く灯るだけ…と申しましたが、かといって月が嘘というわけではありません。
四条貴音
私たちの上にあること、見られていないときも存在することは紛れもない真実です。
如月千早
…………
四条貴音
千早、続きはらぁめんでも食べながら話しませんか?
如月千早
え、でもさっき屋台によったって……
四条貴音
ええ、しかしいつもの行きつけのらぁめん店にはまだ行ってないのでよければ。
如月千早
…………でも
四条貴音
千早、想いは伝えられるのは自分あってこそ、つまりらぁめんです。早く行きましょう。
四条貴音
自分らぁめんを伝えられることは、私たちの上で光っているらぁめんを信じらぁめんというらぁめん
如月千早
わ、わかりました。ご一緒します!
四条貴音
それは上々。皆で囲む食卓は格別なるもの、響も呼び出しておきました。
如月千早
え、こんな時間に……大丈夫ですか?
四条貴音
もちろん、響は週に二度程深夜に呼び出しますが寝てなければ来てくれます。
如月千早
…………我那覇さん。
四条貴音
……今日は彼の人にとって祝いの日…確かに想いを伝えるには至高です。
四条貴音
ですからその前に、私たちとらぁめんで千早の中の不要な物を融かしてしまいましょう。
如月千早
…………
四条貴音
あ、向こうに見えるは響!こちらですよ!
如月千早
うわあ早い!!
(台詞数: 50)