横山奈緒
プロデューサーさん、アメ舐める?
横山奈緒
いらん? そう……まぁ運転中やもんね。えへへ。
横山奈緒
…………
横山奈緒
(な、なんやろ。事務所のみんなでやったバースデーパーティの後で)
横山奈緒
(楽しなりすぎて、終電逃してもうたら、プロデューサーさんが送ってくれるって話しになって)
横山奈緒
(いま、やったラッキー☆ 二人っきりや~ん♪ ってめっちゃ嬉しいはずなんやけど)
横山奈緒
(わからん。いつもと違って、ドキドキして喋られへん……なんでや)
横山奈緒
…………
横山奈緒
…………ねえ、プロデューサーさん。
横山奈緒
今日の誕生日パーティ、めっちゃ楽しかったね。
横山奈緒
ウチの事務所、小さいのに50人近くもいて、みーんなからプレゼント貰ったら
横山奈緒
持って帰るのにも一苦労で。騒いで、美味しいもん食べて、いっぱい褒めてもらって……
横山奈緒
私、今日はアイドルになって、ホンマよかったな~って思った一日でした。でも――
横山奈緒
本当に、一番、感謝の気持ちを言いたいのはその、私……(スッ)
横山奈緒
えっ!? 何ですかこの紙きれ。え、これって、このスキーのチケット…ペア!?
横山奈緒
え゛っ? これ当然、プロデューサーさんと行けるってコトやんな!? ……ですよね?
横山奈緒
そうですか……はぁぁ……♪ ホンマですか。明後日の休みに。嘘やろ、むちゃくちゃ嬉しい……
横山奈緒
あー、メッチャ楽しみ! えっと、朝から晩まで滑りまくって、それから、おいしいディナーを
横山奈緒
お腹いっぱい食べて、う~今すぐ行きたいわ~!!
横山奈緒
(はっ! って、そやない。そうやなくて)
横山奈緒
……あの。あのですね、プロデューサーさん。
横山奈緒
昔、私が弱音を吐いたとき、ありましたよね?
横山奈緒
そう、そうです。入って少し経った頃、私、自分がアイドルとしてやってけるか不安で不安で。
横山奈緒
私……アイドルなりたいけれど、美希や翼や星梨花みたいにすっごい可愛いわけでもないし、
横山奈緒
杏奈やロコや千鶴や瑞希、このみさんとかみたいにめっちゃ個性的なわけでもない。
横山奈緒
あずさや莉緒や風花みたくセクシー路線も違うと思うし、志保や千早みたくストイックでもないし。
横山奈緒
かといってずば抜けた趣味や能力も、未来や春香みたいな素の明るさや前向きさもない、ですし……
横山奈緒
考えだしたらきりないんですけど、私、いったい「何で皆に勝てるとこあんねやろ?」って。
横山奈緒
そんなん言うたこと、ありましたよね。
横山奈緒
あんときプロデューサーさん、困った顔しながら、特に理由もなく
横山奈緒
「大丈夫だ。難しく考えるな。お前の一生懸命頑張る姿を、きっとファンは愛してくれる」
横山奈緒
って。何が大丈夫やねん、とか思いながら……でも、嬉しかったなぁ。ホント。
横山奈緒
結局、私、誰かに「認めてほしい・褒められたい」から、アイドルやりにきたんやな、って。
横山奈緒
ファンの皆や、仲間の声援をもらってステージ出てくとき、ホントにそう想います……
横山奈緒
(ダメや!ただプロデューサーさんに感謝の、ありがとうを言いたいだけやのに……!)
横山奈緒
(ブロロロロ……)(バタンッ)
横山奈緒
え? プロデューサーさん? どうしたんです、急に車止めて――
横山奈緒
あ、うわぁ……綺麗な星空……
横山奈緒
『奈緒。今なら、ちゃんと言えるよ』
横山奈緒
『あの夜空の星たちは、どれが近いとか凄いとか大きいとか関係なく、それぞれ美しく光ってる』
横山奈緒
『そんな風に……オレはお前を輝かせてみせるよ。プロデューサーとして。必ず』
横山奈緒
(プロデューサーさん……嬉しい……嬉しい、嬉しい嬉しいです!私、私……)
横山奈緒
(アカン。もう、感謝なんて通り越して、好きや。私、プロデューサーさんのこと、大好きや!)
横山奈緒
(でも、でもプロデューサーさん……! あなたは、あなたは)
横山奈緒
『だからこれからも一緒に頑張ろうな。みんなと、いっしょに』
横山奈緒
(どうして【私だけのプロデューサー】じゃないんや……ううっ、ダメ、泣きそう……!)
横山奈緒
ぐすっ、プロデューサーさん。あの……う、腕に手回しても、いいですか?(ギュッ)
横山奈緒
えへ、外は寒くて。(わかってる。わかってるんや。私はアイドルで、この人とは仕事上の関係)
横山奈緒
(それでも今は、今と明後日だけはこうして……私だけの“あなた”でいいですか?)
横山奈緒
私、がんばります……あの空の一番星に、なれるように……
(台詞数: 50)