横山奈緒
……ん、もうそろそろ起きなアカンか。
横山奈緒
……今日は確か、IMC本番に向けての通しリハやったな。朝ご飯食べて歯は磨いたけど……
横山奈緒
……
横山奈緒
しもた、二度寝してしもたか!急いで事務所に行かんと……
豊川風花
な、奈緒ちゃん。いきなり飛び起きちゃ駄目よ!
横山奈緒
……あれ?風花、おはようさん。……迎えに来てくれたんか?家の鍵はどうしたん?
豊川風花
……やっぱり、意識が混乱しているみたいね。奈緒ちゃん、かなり疲れているみたいね。
横山奈緒
いや、寝坊してしもうたことは謝らなあかへん。プロデューサーさんは何処や?
周防桃子
奈緒さん、落ち着いて。とりあえずこの水でも飲んで。
横山奈緒
ああ、おおきにな桃子。すまんなあ、桃子にまで来てもろて。
周防桃子
……順番に話すよ。ここは奈緒さんの家じゃないし、もう朝でもないの。
豊川風花
奈緒ちゃん、リハーサル終わって舞台袖に入ったところで、意識を失ったそうなの。
豊川風花
たまたま見学してた私達が、付き添ってたの。
周防桃子
ちなみに、雪歩さんと未来さんは動揺してたから、お兄ちゃんが外に連れ出してるよ。
横山奈緒
……そうやったんか。全く今日の記憶が無いわ。
豊川風花
熱も無さそうだし、頭痛とか、体が痛む所も無いのね?それならひとまず大丈夫ね。
豊川風花
だけど、見た所、身体も精神も疲労のピークよ。本番まで時間は少ないけど、休養して!
横山奈緒
で、でも、明日が本番やろ?もっと練習して、詰めておかんと……
周防桃子
桃子が観た感じだと、歌もフリもレベル高かったよ?三人の息も合ってたし。
周防桃子
でも完璧じゃなかったかな。奈緒さんの笑顔は張り付いてるみたいだったし。目も虚ろだし。
横山奈緒
……桃子は手厳しいなあ。私、ダウンしたところなんやで。
周防桃子
そりゃ、厳しく言うよ。奈緒さんたち、今回は劇場の代表なんだよ!?
周防桃子
もし完全にダウンして脱落して、本番に出られなくなったらとか考えなかったの?
豊川風花
桃子ちゃん……
周防桃子
芸能界は学校とは違うんだよ。あくまでカメラの前・オーディションの場で出したものが全て。
周防桃子
本番がダメなら、それまでの努力なんてゼロ。いや、レッスンのコストを考えたらマイナスだよ。
周防桃子
本番に全てを叩き込むのが、この世界の人間なの。それを分かって!
横山奈緒
……
豊川風花
奈緒ちゃん。確かに私達が評価されるのは本番でだけだけど……
豊川風花
少なくとも劇場のみんなは、奈緒ちゃんが明日のために誰よりも頑張ったのを知ってるわ。
豊川風花
今日は大変な日だったけど、大丈夫。明日はきっといい日になるはずよ。
横山奈緒
……
横山奈緒
……せやな。劇場のみんなが私達を信じてるんや。自分で自分達を信じんとな。
横山奈緒
桃子、今日は情けない姿を見せてもうたけど、明日はお姉ちゃんとして、優勝して決めてみせるで!
周防桃子
……桃子は前にIMCで優勝してるよ。優勝するだけなら、桃子に追い付くだけだからね。
横山奈緒
そか。それなら言い直すわ。明日は先輩達に追い付いて、これから追い抜いてみせるで。
周防桃子
……期待してるよ、奈緒お姉ちゃん。
横山奈緒
よっしゃ!じゃあ景気付けに何か食べに行こ!風花と桃子も来るやろ!?
豊川風花
……奈緒ちゃんのペースに付き合うと、また胸やお腹が膨らんじゃうかも。
周防桃子
明日、衣装が入らないとか言ったら、軽蔑するからね。
(台詞数: 40)