如月千早
どうしたの真美、こんなところまで連れてきて……あ、お一人様1つまでの商品が
双海真美
ちがうよ!やよいっちじゃああるまいしだよ!
双海真美
暇だから真美とアクティブな方の遊びしよーよー
如月千早
アクティブな遊び?例えば?
双海真美
それを思いつくところからが千早お姉ちゃんの役目なのだよ……
如月千早
え、ちょっと待ってねえーとえーと、鬼ごっこ…二人でやってる場合じゃないしかくれんぼも二人で
如月千早
あ、だるまさんが転んだはどう?これでも初段の腕前よ。
双海真美
二人でやるの?まあ、よかろう!じゃあ真美アレンジで「はるるんが転んだ」にすんね!
如月千早
何その「今日も高台には風が吹く」みたいなアレンジ。まあ、よかろうだわ。私がオフェンスね?
双海真美
うん!じゃ、いっくよー!はーーーーるーーーーーーーーるんーーーーがーーーー
如月千早
今のうちに本気ダッシュ!
双海真美
はるるんがまだ新人アイドルの時の事だった……
如月千早
え?
双海真美
持ち前の明るさ、太陽のような笑顔など、アイドルにふさわしい彼女……しかし、現実は甘くない。
双海真美
彼女は真剣だったが、新人故の未熟さに持ち前のドジも災いし、悉くオーディションに落ちる日々…
双海真美
「プロデューサーさん、すみません…また私が転んじゃったせいで…」
双海真美
いつしか、それは彼女の口癖になっていった……
如月千早
そんな、それは春香の個性じゃない!ミスと特徴を混同するのは間違いよ!
双海真美
「プロデューサーさん…でも…またスタッフさん達に迷惑かけちゃって…グスッ私…もう」
如月千早
だめよ!その続きは絶対に言っちゃだめ!まだ終わって無いでしょ?少し転んだくらいでなによ!
双海真美
「グスッ…でも、私もう起き上がれないです…こんな私が、誰かを笑顔にするなんて!」
如月千早
……私がプロデュースする子を決めようと劇場に来たときね、ふと歌が聴こえたの。
如月千早
その歌声は少し音もとんでてリズムもよれよれだったわ……
如月千早
でもね。その歌を聴いて私泣いてたの。何故かしらね…大人のくせにそんな事で泣くなんて…
如月千早
すぐその子に話しかけたわ。歌うまいですね。アイドルになりませんか…って
双海真美
「ヒグッ……え、それって」
如月千早
春香、あなたは私を…一人の人間の心を溶かしたわ。今までの人生で一番……ね。
如月千早
まあ、その時その子には怖がられたけどね…そりゃそうか、泣きながら笑ってる人がいきなりね。
双海真美
「いや、そんなこと…!私選んでもらってすごく嬉しくて…だから…」
双海真美
「だから、ちょっとでも恩返ししなきゃって焦って…でも…頑張れば頑張るほど…空回りして」
如月千早
うん……うん……頑張りすぎちゃったのね。
双海真美
「私……もうプロデューサーさんに見捨てられるんじゃないかって…うわーん!!」
如月千早
大丈夫よ、春香…あなたは一人じゃない。いつでも頼っていい。いつでも泣いていい。
如月千早
それとも……私なんかじゃ頼りないかしら……
双海真美
「そ、そんなこと…じゃあ、私がまた泣いた時、転んじゃった時……支えてくれますか?」
双海真美
「いつも不安なステージ…一番近くで見ててくれますか……?」
如月千早
もちろん、ずっと私が支え続ける。転んでも手を、肩を貸してあげる。
双海真美
「……うふふ……なら、泣いてちゃいけませんね。プロデューサーさん!スタジオ!」
如月千早
あら、何か忘れ物?
双海真美
「違います!レッスンですよ、レッスン!思い立ったが吉日!なーんて」
如月千早
あらあら、そんなに急いで転んでも知らないわよ?
双海真美
「大丈夫です!私には転んでも手を貸してくれる人が居ますから!」
如月千早
春香……
双海真美
それが、春香の最初の、最初の第一歩だった……
双海真美
その後何度失敗しても…泣いても…春香が挫けることは無かった。
双海真美
「天海春香、一日一回転びます!……でも絶対!起き上がります!」
双海真美
あ、千早ちゃんお姉ちゃん動いた!もっかいやる?
如月千早
真美ったら、強いのね。でもまだ諦めないわ。
如月千早
こんなところでやめちゃ春香に笑われちゃうわ……じゃあ仕切り直して……
如月千早
さいしょのさいしょのだいいっぽ!
(台詞数: 50)