如月千早
プロデューサー、わざわざお呼び立てしてすみません。
如月千早
先ほど、ホワイトデーの贈り物を頂いたのにお礼も出来ず……
如月千早
…………お礼と言っても、私がプロデューサーから頂いた恩を返すことは出来ません。
如月千早
どのようにプロデューサーへお返しをすれば良いか、わかりません。
如月千早
やはり、私には歌以外は見えないんです。歌以外の言葉が読めないんです。
如月千早
あ、すみません。否定して頂きたかったわけでは…………でも……
如月千早
プロデューサーはいつも私がこんなことを言うと否定してくれますね。
如月千早
私には歌以外にもたくさん魅力があると、伝えてくれますね。
如月千早
でも、やはり見えません。歌を失った私に、意味が見いだせません。
如月千早
………………プロデューサー、私にもいつかマイクを置く日が来ます。絶対に来ます。
如月千早
その時までに、どうか、この強情な私を変えてください。たくさんの私を、私に見せてください。
如月千早
私の力では、多分……いえ、絶対如月千早の考えを変えることなんて出来ません。
如月千早
ですから、プロデューサーが歌以外の私を見つけさせてくれたら、その時は……
如月千早
ええ、それさえも、そんな私さえも歌ってみせます。今の私は、それ以外の方法はわかりません。
如月千早
………………
如月千早
プロデューサー、私は今歌を歌っています。
如月千早
こんな夜に誰も起こさないように、波の音を掻き消さないように、声をあげず歌を歌っています。
如月千早
今だけでなく、プロデューサーと一緒に居るときも、居ないときも、多分寝てるときも……
如月千早
いつか、歌えなくなってからもずっと歌っています。
如月千早
今は何も聴こえないかもしれませんが、いつかきっとプロデューサーに伝わります。
如月千早
ですから、もし私の歌が聴こえたら……その時は、プロデューサーも同じように歌って下さい。
如月千早
その歌がきっと、私を変えます。
如月千早
プロデューサー……私の歌、聴いてください。
如月千早
誰にも聴かれない歌は、本当に価値なんて無いんです。
如月千早
そして……その歌を歌った人にも、誰も気づかないんです。だから……だから……
如月千早
………………
如月千早
………………
如月千早
…………
如月千早
プロデューサー、ホワイトデーの贈り物……ありがとうございました。嬉しかったです。
如月千早
…………また明日。
(台詞数: 30)