豊川風花
ねえねえ、千鶴ちゃん。
二階堂千鶴
はい?
豊川風花
豚カツだけじゃ、物足りないわよね?ビールは無いの?
二階堂千鶴
ビールはありませんが、ご飯とお味噌汁なら用意してありますわよ。
豊川風花
うーん、それはそれで嬉しいんだけど...ビストロって言うより定食屋?
二階堂千鶴
...不満があるのでしたら、あなたは山盛りのキャベツでも食べてなさい。
豊川風花
ああっ!?ごめんなさい!嘘よ、冗談よ!こういうのを出すビストロだってあるわよね!?
二階堂千鶴
はぁ...。風花って、こんなにはっちゃけた性格をしてましたかしら...?
二階堂千鶴
...話を戻しますわね。
二階堂千鶴
お米は、味の濃いおかずに合うコシヒカリをチョイスいたしました。
二階堂千鶴
そして、お味噌汁の具は大根と舞茸を主に、彩りとしてネギを少し散らしたものになりますわ。
二階堂千鶴
付け合わせのキャベツだけでは栄養が偏りますから、お味噌汁や副菜で補いたいものですわね。
豊川風花
(まだ?)(まだかな?) (うずうず)
二階堂千鶴
...説明はこの辺りにして、豚カツが冷めないうちにいただきたいと思います。
二階堂千鶴
それでは...いただきます。
豊川風花
いただきます!
二階堂千鶴
(もぐもぐ...)
豊川風花
(もぐもぐ...!もぐもぐもぐもぐもぐ!)
二階堂千鶴
これは...自分でも驚きましたわ。
二階堂千鶴
口のなか...
豊川風花
すご...!凄い!何これ!本当に豚肉なの!?
豊川風花
お肉にこんな表現使っていいのかわからないけど...瑞々しい!
豊川風花
サクッとした衣の中のお肉は、弾力はあるけど、歯ですっと噛み切れる柔らかさ!
豊川風花
汁気の多い果物をかじったみたいに、噛んだ瞬間口の中全体に肉汁がじゅわーって広がって...。
豊川風花
それが全部旨味の詰まったスープで!そして鼻をすっと抜けていくような爽やかな香り!
豊川風花
ソースは辛めだけど、口の中で甘い脂と混ざっていくうちに、とってもまろやかになっていくの!
二階堂千鶴
あの、風花?少しは、わたくしにも...
豊川風花
豚カツだけじゃないわ!このお味噌汁も絶品よ!
豊川風花
大根はホクホク、ネギはシャキシャキ、舞茸はぷりぷりしてて、それぞれの食感で飽きさせないわ!
豊川風花
そして、お味噌は薄目だけど出汁はしっかりで、肉汁でいっぱいだった味覚をリセットしてくれる!
豊川風花
これでまた豚カツを食べたら、ああ...。ご飯が何杯でもいけちゃうわぁ...。
二階堂千鶴
ええ...まあ...はい。
二階堂千鶴
喜んでいただけて、嬉しいですわ...。
豊川風花
でも、びっくりしたわ...。
豊川風花
豚カツにするだけで、こんなにも美味しくなるとは思わなかったもの。
二階堂千鶴
「美味しくなった」と言うよりは、「食材の味を引き出した」と言うべきですわね。
二階堂千鶴
...最近はインターネットの発展で、高級な食材を手に入れるのが簡単になってきましたわ。
二階堂千鶴
しかし、高級な食材というものは、えてして癖も強いもの...。
二階堂千鶴
その特性をよく理解しないで適当に調理してしまえば、食材を台無しにしてしまう事もあります。
二階堂千鶴
そうやって、「期待していたほど美味しくなかった」と食材に失望してしまう。
二階堂千鶴
これほど勿体無いことはないと、わたくしは思いますわ。
二階堂千鶴
ですから、食材の特性を活かす調理方法を紹介することで、みなさまの助けとなりたいのです。
豊川風花
なるほどねえ...。
豊川風花
あ!じゃあ、今度このお肉で、また違った料理を作ってくれない?
豊川風花
それを私たちで食べ比べして、作り方をホームページで紹介するとかはどうかな?
二階堂千鶴
それは、いい考えかもしれませんが...どうでしょう?
二階堂千鶴
こういう番組では、余った食材や料理はスタッフさんたちで分けるという話も聞きますし。
豊川風花
(ガタッ!)
豊川風花
今の、何...?
二階堂千鶴
入口の方から、物音が...?
(台詞数: 50)