二階堂千鶴
もう、こんな時間...。
二階堂千鶴
楽しい時間は過ぎるのが早いと聞いていましたが...本当に、その通りですわね。
二階堂千鶴
...貴方。今日は、ありがとうございました。
二階堂千鶴
この華やかな舞台で、きらびやかな衣装を着て、わたくしの大切な歌を歌って。
二階堂千鶴
その余韻も冷めないうちに、こうして貴方と踊ることができるなんて...。
二階堂千鶴
ふふっ。お互いに足を踏んで踏まれてのダンスでしたが、とても素敵でしたわよ?
二階堂千鶴
わたくしに触れるその手、わたくしを導くその腕、わたくしを見つめるその瞳...。
二階堂千鶴
何もかもが優しくて、まるで貴方の心に包まれていたかのようでしたわ。
二階堂千鶴
...でも、この夢のような時間も、これでおしまい...。
二階堂千鶴
さあ、わたくしの手を取って。出口まで、エスコートしてくださいまし。
二階堂千鶴
...。
二階堂千鶴
...ええ。エスコートはここまでで結構ですわ。
二階堂千鶴
...そのままで。まだ、手は離さないで。
二階堂千鶴
最後に、顔をもう一度、よく見せてください。貴方の優しい笑顔を。
二階堂千鶴
...。
二階堂千鶴
ふふっ。素敵ですわよ。
二階堂千鶴
...それでは、名残惜しくはありますが...。
二階堂千鶴
ごきげんよう、貴方。また明日、お会いいたしましょう。
二階堂千鶴
その時は、いつもと変わらぬわたくしとして。
二階堂千鶴
...。
二階堂千鶴
(そう。「良い娘」として貴方の隣に立って、頼られたり、世話を焼いたり、褒められたり...)
二階堂千鶴
(そんな「いつも」。穏やかで、安心できる日々。そして、変わらない...。)
二階堂千鶴
...。
二階堂千鶴
...待って!待ってください!
二階堂千鶴
こうやって...。
二階堂千鶴
手を引いて引き留めるわたくしは、貴方の思うわたくしではないのかもしれません。
二階堂千鶴
...ええ、わたくし、震えていますわね。怖いのです。臆病なのですよ。
二階堂千鶴
この胸の中にある、ずっと言いたくて言えなかったこの想い、この言葉。
二階堂千鶴
もし、それを口にすれば、貴方との関係が、一瞬で崩れ去ってしまうのではないかと恐れています。
二階堂千鶴
それでも..。
二階堂千鶴
この一歩を踏み出さなければ、何も変わらないと思いましたから...。
二階堂千鶴
...こうして踏み出した今でも、迷っています。
二階堂千鶴
わたくしのしていることは我儘で、貴方の迷惑にしかならないのではないかと。
二階堂千鶴
...ですから、貴方。わたくしに、答えをください。
二階堂千鶴
この手を...。
二階堂千鶴
どうかこの手を離してください。
二階堂千鶴
明日からはいつもの二階堂千鶴に、貴方が望む「良い娘」に戻りますから。
二階堂千鶴
どうかこの手を離さないでください。
二階堂千鶴
何と思われてもいい。この胸に秘めた想いの丈、貴方に全て受け止めてもらいたいのです。
二階堂千鶴
...。
二階堂千鶴
さあ、お願いいたします。
二階堂千鶴
貴方...。
(台詞数: 42)