二階堂千鶴
(ミリオンカフェ閉店から数日後。私とウツボPはミリオンカフェの跡地にいました)
二階堂千鶴
……たった数日で、何にも無くなっちゃうのね。ここにカフェがあったなんて嘘みたいですわ。
二階堂千鶴
ウツボP/元はイベント用の貸し家だからね。イベント終了後即撤収ってのは普通なんだ。
二階堂千鶴
ウツボP/ウチの事務所も今は別のイベントを目玉にしている。芸能界って所は、常に新しくないと
二階堂千鶴
ウツボP/すぐに飽きられちゃうからね。こればっかりはしょうがないんだよ、二階堂女史。
二階堂千鶴
ウツボP/…それで、どうかな。ミリオンカフェが終わってから元気の無かった二階堂女史が、
二階堂千鶴
ウツボP/この跡地を見たいっていうから連れてきた訳だけど、何か心境の変化はあったかな?
二階堂千鶴
……
二階堂千鶴
……イベントが終わってから、胸にぽっかりと穴が空いたような、そんな感じがしていましたわ。
二階堂千鶴
ウツボP/…そうだね。初めて君が主役のイベントが、大成功したんだから、無理もないね。
二階堂千鶴
もう一度この場所に来たら、この胸の穴が塞がるんじゃないかと、思ってましたの。
二階堂千鶴
ウツボP/なるほどね。それで、どうだった?
二階堂千鶴
……でも、ここにはもう何も無かったのです。何も無い、ただの空間でした。
二階堂千鶴
わたくしが自ら選んだイスやテーブルも、一生懸命磨いたグラスやシルバーも、ありません。
二階堂千鶴
春香が丹精込めて作ったケーキを入れるショーケースも、海美が笑顔で動き回ったテラスさえも、
二階堂千鶴
何も、カフェの落ち着いた香りも残らず、私達がいた痕跡すら残らず、何も…無くなってる。
二階堂千鶴
ウツボP/うん、そうだね。
二階堂千鶴
その事実は……とても寂しいです。
二階堂千鶴
ウツボP/そうだね。僕もそう思うよ……
二階堂千鶴
ウツボP/そうだね。僕もそう思うよ……でも、それだけかな?
二階堂千鶴
……
二階堂千鶴
……自分でも不思議に思うのですが、寂しさよりも達成感の方が勝っているのですわ。
二階堂千鶴
ここに何も無いのは、わたくし達が全てやりきったからだと、そう思えるのです!
二階堂千鶴
ウツボP/うん…それでいい。間違いないじゃないよ、二階堂女史。
二階堂千鶴
そう、ですよね。それに、胸の穴が達成感で埋まった時に、わたくしは思い出したのです…
二階堂千鶴
カフェに来たお客様の笑顔を!あの笑顔を見れたのだから、何を落ち込む必要があったのでしょう!
二階堂千鶴
ウツボP/そうだよ、二階堂女史。多くの君のファンが待ち望んだ、君が主役のイベント…
二階堂千鶴
ウツボP/たくさんの笑顔に包まれ幕を閉じたイベントは、ファンの記憶にずっと残るものだろう。
二階堂千鶴
ウツボP/だから、もっと誇って良い。この結果は、必ず次のステージで君の力となるんだから。
二階堂千鶴
ふふっ、そうですわよね!わたくしとした事が、少しおセンチになりすぎてたようですわ!
二階堂千鶴
皆の努力で成し遂げたミリオンカフェに、もう何の未練もありませんわ!
二階堂千鶴
この経験を糧に、トップアイドルへの階段を一気に駈け上がりますわ!おーっほっほっほっほ!
二階堂千鶴
ウツボP/おー、いつもの二階堂女史だ。しかもむせない…ここに連れてきて正解だったね。
二階堂千鶴
ウツボP/じゃあ、もう長居はする必要ないよね。そろそろ行こうか。
二階堂千鶴
えぇ、ここに来る事も、もう無いでしょうから…(外まで出ましたわ)
二階堂千鶴
あら…?ウツボP、入り口近くにこんなものが。物影に隠れてわからなかったみたい。
二階堂千鶴
ウツボP/これは…OPENとCLOSEDの掛札だね。回収漏れかな、業者に連絡しなきゃ…
二階堂千鶴
あらあら…うふふ、何も無いと思っていたら、まだこんなものが残ってたのですね~。
二階堂千鶴
ウツボP/……んー、二階堂女史、良ければそれ持って帰る?業者には僕から言っておくけど。
二階堂千鶴
いえいえ、これは然るべき場所にお返ししますわ。掛札は、入り口のドアノブに…っと。
二階堂千鶴
【CLOSED】
二階堂千鶴
これでよしっ!これで本当に、もうミリオンカフェは店じまいですわね。
二階堂千鶴
あとはもう、皆さんの心の中だけですわ。ふふっ、それで充分なのですよね、ウツボP。
二階堂千鶴
ウツボP/あぁ、それでこそ、良いイベントだったと言えるんだ…それじゃあ二階堂女史、
二階堂千鶴
ウツボP/そんなイベントがまた出来るよう僕も頑張るから、これからもよろしくね。
二階堂千鶴
こちらこそ!セレブアイドル二階堂千鶴、より一層エレガントかつゴージャスに参りますわ!
二階堂千鶴
おーっほっほっほっほ!おーっほっほっほっほけほっ、こほっ…えへへ♪
(台詞数: 47)