馬場このみ
『<ガチャッ>ふぃ~、お疲れ様~』
馬場このみ
律子『お疲れ様です』
馬場このみ
莉緒『姉さん、手応えはどうだった?』
馬場このみ
『<バタン>ん~、まぁ上々ってところかしらね。ひとまず、思い通りのアピールは出来たわ』
馬場このみ
風花『これで、私達4人はみんな、アピールを終えましたね』
馬場このみ
律子(“765プロ様”と書かれた控え室で、私達4人はアピール終わりの休息を取っていた)
馬場このみ
律子(この当時はまだ、“ユニット戦”が導入されておらず、私達は“個人戦”に出場していた)
馬場このみ
『さて、いよいよ次ね』
馬場このみ
莉緒『次?……あぁ、例の961プロのアイドルトレーナーね』
馬場このみ
風花『一体どんな人なんでしょうね~』
馬場このみ
『全試合負け無し……律子ちゃんに勝つだけでも難しいって言うのに……』
馬場このみ
『その律子ちゃんレベルのアイドルトレーナーが、もう1人いるんだものね……』
馬場このみ
律子『そんな……。でも、私は楽しみですね。どんなアピールを見られるのか』
馬場このみ
律子『今年のITMCは、今まで以上に楽しいものになりそうです』
馬場このみ
『その精神力が羨ましいわ……さすが、女王は心構えが違うわね』
馬場このみ
莉緒『そりゃあ、姉さんじゃあ女王の貫禄は出せないわよね~』
馬場このみ
風花『ですよね~』
馬場このみ
『どういう意味よ!』
馬場このみ
律子(実際、私と互角に戦えるアイドルトレーナーは、このみさん達ぐらいしかいなかった)
馬場このみ
律子(だから、961プロのアイドルトレーナーにどれだけの力があるのか、とても楽しみだった)
馬場このみ
律子(この時までは……)
北上麗花
『………………』
馬場このみ
『あっ、出てきたわね』
馬場このみ
律子『名前は……“北上麗花”ですか』
馬場このみ
莉緒『最初からポケモンを出してアピールするスタイルなのね』
北上麗花
『………………(スッ)』
馬場このみ
『!?』
馬場このみ
律子『あれ……マイクですか!?』
馬場このみ
莉緒『えっ……ちょっと待って。まさか、このステージで歌うつもりなの!?』
馬場このみ
風花『そんな……あれじゃポケモンに指示が出せませんよ!?』
北上麗花
『ゴールはまだわからないけれど♪』
北上麗花
『スタートラインここだよ♪』
北上麗花
『Let's find your wind!♪』
馬場このみ
『………………』
馬場このみ
律子(まだ歌い出し……それなのに私達は皆、彼女の歌声に圧倒されていた)
馬場このみ
律子(ステージのポケモン達は、主人からの指示が出ていないにも関わらず、綺麗な動きを見せる)
馬場このみ
律子(ポケモンに指示を出す事無く、生歌をステージで披露する……そんな人に……)
馬場このみ
律子(私は今まで1度も、出逢った事が無かった)
北上麗花
『青い空にひかれた白いスタートライン飛び越えていくよ♪』
北上麗花
『君とならどこへだって行けるってわかる…♪』
北上麗花
『I feel you near me always!♪』
北上麗花
『「夢活」の最初の一歩踏み出してみようよ♪』
馬場このみ
『………………』
馬場このみ
律子『………………』
馬場このみ
莉緒『凄いわね……モニター越しに聴いてこれなら……』
馬場このみ
風花『会場にいるお客さん達は、今どんな気持ちなんでしょう……』
馬場このみ
律子(歌声を聴いた人全てを魅了するアイドルトレーナー、北上麗花)
馬場このみ
律子(後に彼女が、“風の歌姫”と呼ばれている事を知る。自由気ままに吹く風のような歌声……)
馬場このみ
律子(常人離れしたアピールを披露した彼女を見た私は、この時初めて意志が揺れた)
馬場このみ
律子(あの人に……私は勝てる?)
(台詞数: 50)