天海春香
プロデューサーさんへ
天海春香
これが、私がプロデューサーさんへ書く、最後の手紙になります。
天海春香
お医者様はただの風邪だとおっしゃるけども
天海春香
私の身体のことです。私が一番よく分かるんです。
天海春香
だから、こうやって自らの手で筆を取ることが出来るうちに
天海春香
プロデューサーさんに伝えたかったこと、私の想い……書ける限り、この手紙に残そうと思います。
天海春香
まず1番は、初めて舞台のお仕事をもらった時……。
天海春香
稽古の休憩中、私の不注意でプロデューサーさんに大怪我をさせてしまって
天海春香
その時は、765プロのニューイヤーライブの練習も思うように進まなくて、
天海春香
何の為にアイドルやってるんだろうって。私、何やってるんだろって。気持ちが迷子になりました。
天海春香
でも、事務所の皆のおかげで……私ちゃんと帰ってこれました。帰る場所、ちゃんと見つけました。
天海春香
その場所を作ってくれたのが、
天海春香
その場所を作ってくれたのが、プロデューサーさん。あなたでした。
天海春香
そしてニューイヤーライブ当日、車椅子姿で駆けつけてくれたプロデューサーさんを見て
天海春香
ああ。私、この人のそばにずっといたいなって。ずっとずっと、近くで見ていて欲しいなって。
天海春香
そう。思ったんです。
天海春香
それから、アリーナでのライブが決まった時。
天海春香
私がリーダーに選ばれて、最初は驚いたけど、あなたの期待に応えたいって、素直に思いました。
天海春香
なのに、プロデューサーさんはライブが終わったら、アメリカに行っちゃうって突然言い出して。
天海春香
正直、私とても悲しくて。……でも、リーダーだから、悲しんでばかりはいられなくて
天海春香
ちょっと恨みました。
天海春香
でも、プロデューサーさんは、どこにいてもちゃんと私達の事考えてくれているって信じられたから
天海春香
私、ちゃんとリーダーを最後までやり遂げることができました。
天海春香
笑顔であなたを送り出すことが、できました。
天海春香
そして、引退を決意したドームでのソロライブの後。
天海春香
私、すっごく勇気を出してプロデューサーさんに想いを伝えたのに
天海春香
あなたは応えてくれませんでした。
天海春香
私の気持ちより、私の将来が大事だって……。
天海春香
でも、プロデューサーさんが示してくれた、新しい明日のカタチ
天海春香
好きなことをする時間もたっぷりもらえて、今までやれなかったこと、いろんなことに挑戦できて
天海春香
トップアイドルを目指すだけじゃない、その向こう側のいろんな世界を見ることが出来ました。
天海春香
ちゃんと、自分のタイミングで、アイドルを辞めることができました。
天海春香
そして、今度は普通の女の子して、再びプロデューサーさんの前に現れた私を
天海春香
あなたは、優しく
天海春香
あなたは、優しく、優しく抱きしめてくれました。
天海春香
その時の事を思い出すと
天海春香
その時の事を思い出すと、今でも胸がドキドキするんです。
天海春香
あなたと将来を誓い
天海春香
家族が増え
天海春香
あなたと共に歩き、あなたと共に過ごし共有する、大切な時間を積み重ねることができました。
天海春香
……5年前にあなたが先立っても、笑顔であなたを送り出すことが、できました。
天海春香
そう、あなたは、どこにいてもちゃんと私達の事考えてくれているって信じられたから。
天海春香
家族が笑顔で集う……そんな場所をあなたが作ってくれたから。
天海春香
それでもちょっぴり寂しくなる時は、こうやって、天国のあなたへ手紙を書いて過ごしました。
天海春香
すると、懐かしくなって、今でもあなたを「プロデューサーさん」と、つい呼んでしまいます。
天海春香
もうすぐ、あなたのところへいきます
天海春香
最後に……あなたと出会ってからのこの80年あまり
天海春香
私 ずっとずっと
天海春香
私 ずっとずっと 幸せでした
天海春香
私 ずっとずっと 幸せでした 【春香】
(台詞数: 50)