百瀬莉緒
……せっかくお呼ばれしたのに、お酒無しなんて寂しいわよ、このみ姉さん。
馬場このみ
そう言われてもね～。とりあえず懸案事項を片付けないといけないの。それが終わってからね。
百瀬莉緒
あら、私の力が必要ってこと?ウフフッ、嬉しいこと言ってくれるのね!
馬場このみ
……いや、むしろ本当は年少組のほうが向いてそうな事なのよ。この時間には呼べないだけで。
馬場このみ
……実は今ね、新しいグッズとして『アイドルをモチーフにした双六』を作ってるの。
馬場このみ
で、瑞希ちゃんや律子ちゃんがパソコン使ってレイアウトしたけど。肝心の内容が決まらないの。
百瀬莉緒
それがこれ?……確かに、『三マス進む』とかは載ってるけど、寂しいわねえ。
馬場このみ
だから、コマのテキストを考えるために持って帰ったけど。独りで考えても行き詰まりそうでね。
百瀬莉緒
じゃあ、実際に遊びながら決めましょ。サイコロなら、姉さんの麻雀セットに入ってるし。
馬場このみ
名案ね!じゃあ準備するわ。……軽く食べられるものも作っちゃうわ。
百瀬莉緒
じゃあ、先攻は私で。……「1」か。このコマは、『三マス進む』だったわね。
百瀬莉緒
……じゃあ、『雑誌グラビアが好評で、一躍モテモテに!』とかにしましょうか。
馬場このみ
莉緒ちゃん、いきなりそれは駄目よ。展開が早すぎるわ。
馬場このみ
この双六、アイドル活動をモチーフにするの。『上がり』は、ドームライブ成功になってるわ。
百瀬莉緒
へぇー。……それで?
馬場このみ
考えてもみてよ。私達だって、事務所に所属していきなり仕事が有ったわけじゃないんだから。
百瀬莉緒
スタート直後のコマにしては、飛躍し過ぎてるって言いたいのね。……それじゃあ……。
百瀬莉緒
『アイドルになるのは不安だけど、初日に親友が出来た!』、ってのはどう!?
馬場このみ
良いじゃない良いじゃない!そういうのを期待してたのよ。……じゃあ私の番。
馬場このみ
「6」が出たけど、このコマ『一回休み』じゃない、幸先悪いわ。
百瀬莉緒
『体力不足が祟って、レッスン疲れでオフを寝て過ごした』、ってところじゃない?
馬場このみ
莉緒ちゃん……それ、リアルに私の話だから。思い出させないでよ。
馬場このみ
事務職希望だったから、そりゃ体力作りなんかしてなかったわよ、あの当時はね。
百瀬莉緒
本当の理由は、前の晩飲み過ぎたからじゃない?私は……「2」を振ったわ。
馬場このみ
はい、莉緒ちゃんも一回休み～。人の事言えないじゃない。……喉が渇くから、何か持ってくるわ。
馬場このみ
……「4」ね。このコマは特に指示無しね。『持ち歌のレッスン』とでも書いときますか。
百瀬莉緒
ちょっと姉さん。それこそ駄目よ。そのコマの前に、『歌を貰う』がないと辻褄合わない。
馬場このみ
あ、そっか……適当に考えちゃ駄目ね、空白コマも。
馬場このみ
……それもそうね。アイドル始めて、無駄に過ごした日なんて一日も無い筈だからね。
百瀬莉緒
このみ姉さん、含蓄深いこと言うわね。さすが年の功かしら。……「2」、と。
馬場このみ
『もう一度サイコロを振り、奇数が出たら4マス進む』か。ギャンブルね。
百瀬莉緒
『公演MCで、ダイタン発言しちゃった。奇数ならウケてファンが増えた』……とか、どう?
馬場このみ
……莉緒ちゃん、とりあえずそれにして、サイコロチャレンジしてみたら?
百瀬莉緒
「2」。……。
馬場このみ
もー、期待を裏切らない莉緒ちゃん、お姉さん大好きよ、ウフフッ。
百瀬莉緒
ヒドい～!フーンだ、勝手に冷蔵庫漁ってやるんだから。
馬場このみ
ちょっと待ってよ!……どうせなら私の分も持ってきてよね。
百瀬莉緒
はいはい。……このみ姉さん、金色の缶のビールが有るじゃない!これ開けましょ!
馬場このみ
忘れてたわ。それなら、イタリアのチーズと包丁も持ってきて。とっておきなのよ!
百瀬莉緒
……
馬場このみ
……
馬場このみ
…………
馬場このみ
……夜明けまでかかって、全部のコマ埋めたけど……最後の方、ヒドい出来ね。
百瀬莉緒
『イタリア旅行に行って一回休み』とか。『ビールのCMが好評で2マス進む』とか……
馬場このみ
『おつまみ切れた!コンビニ行くから1マス戻る』って。……何考えてたの私達。
百瀬莉緒
……仕方ないから、今晩あたり最初から制作し直しましょ。プロデューサー君あたりも呼んで……
馬場このみ
莉緒ちゃん、また飲みたいだけでしょ!同じ失敗はできないの、一日も無駄にできないんだから!
(台詞数: 47)