馬場このみ
「はぁ…」
馬場このみ
疲労交じりの溜め息がこぼれる
馬場このみ
仕事への情熱は、冬の風に曝されてる私の身体の様に熱を失って…
馬場このみ
吐いた息が白く空気に溶け込んでいく様は、まるで私の感情みたいだ…
馬場このみ
「これじゃあ…まるで子供ね…」
馬場このみ
勘違いにも似た憧れを抱いて、足を踏み入れた大人の世界
馬場このみ
だからこそ、私は許せなかった
馬場このみ
強い立場の人が、弱い立場の人に対して陰湿な形で働く理不尽
馬場このみ
フラストレーションを八つ当たりをするようにぶつけるのを目の当たりにして…
馬場このみ
その世界は輝きを失った
馬場このみ
夢から現実へと引き戻されて
馬場このみ
興醒めにも近い感覚を覚えながらも、私はその場で何もすることが出来なかった
馬場このみ
ただ、虐めにも近いそれを、傍観することしかできなかった
馬場このみ
それが悔しかった
馬場このみ
それから数日間、心に引っ掛かった違和感
馬場このみ
本当にこのままでいいの?
馬場このみ
これが私の望んだ世界?
馬場このみ
自問自答を重ねたけれど、これという答えを導き出す事はできなかった
馬場このみ
そして、モヤモヤを抱えたまま今日を迎えて
馬場このみ
私はまた、その光景を目の当たりにした
馬場このみ
その刹那、私の中にあった箍が外れて…
馬場このみ
私は同僚の制止を無理やり振り切り、上司の顔に辞表を叩き付けると…
馬場このみ
会社を飛び出した
馬場このみ
後悔はしていない
馬場このみ
だって、スッキリはしたから…
馬場このみ
だけど…
馬場このみ
「今夜は自棄酒ね…」
馬場このみ
そして、何の目的も無しに、プラプラ街を歩いていると…
馬場このみ
ある雑居ビルの居酒屋の前に出ている求人広告が私の目に入って…
馬場このみ
「ふふっ♪」
馬場このみ
「ちゃんと次の仕事も見つけなくちゃね」
馬場このみ
「だって、私は大人の女性だもん」
馬場このみ
とりあえず、ここを受けよう
(台詞数: 33)