馬場このみ
……
馬場このみ
……んーっ。よく寝た……なのかな。飲み過ぎた翌朝みたいに、ちょっと記憶がアヤフヤだけど。
馬場このみ
ええと、確か……私達は『七英雄の本体』と闘ってたのよね。彼らが全員姿を出して……
馬場このみ
のり子ちゃんが精神操作されて、総攻撃が始まって……ダンターグの【一文字突き】が捌けなくて。
馬場このみ
……あれ?もしかして私、そこで気絶しちゃった?勝負の顛末はどうなったのよ?
馬場このみ
それに、ここ何処なの?こんな殺風景なところ来たことないわよ。
馬場このみ
ちょっと、誰かいないの?こんなところで一人ぼっちなんて困るわよ。まだやる事残ってるし!
馬場このみ
……
馬場このみ
……ヤバいわね、みんなとはぐれちゃったかしら。これも『七英雄』の隠し技とか……
百瀬莉緒
……落ち着いてよ、姉さん。私がここに居るから。
馬場このみ
……莉緒ちゃん!良かったあ、二人なら何とかもとの世界に戻れそうね。
馬場このみ
あ、ええっとその前に。莉緒ちゃん、『七英雄』との決戦はどうなったの?さっきから気掛かりで。
百瀬莉緒
……とりあえず座らない、このみ姉さん。焦らなくても、お喋りする時間位はあるわ。
百瀬莉緒
……まあ、時間は無い、とも言えるけどね。
馬場このみ
持って回った言い方ねえ。莉緒ちゃんらしくないわよ。……どっこらしょっと。
百瀬莉緒
そういうのが妙に年寄りじみてるのよ。もっとフレッシュなところアピールしないとモテないわよ。
馬場このみ
うるさーい!口に出ちゃうのは仕方ないでしょ。本当に疲れてるんだし。
百瀬莉緒
冗談冗談。このみ姉さんはいつでも可愛いわよ〜。
馬場このみ
もう……私の方が年上なんだから。昔っから私をからかうの、変わってないのね。
百瀬莉緒
一歳だけね……帝国傭兵団に入ったのだって、ほぼ同時だったじゃない。堅いこと言いっこ無し。
百瀬莉緒
……前はこうやって、お酒でも飲みながら、何でもない事よく喋ってたわよねぇ。
馬場このみ
そうねえ、莉緒ちゃんが酔い潰れるまで、ね。抱えて帰るの、大変だったんだから。
百瀬莉緒
このみ姉さん、鍛えてたけど上背はなかったからね〜。
百瀬莉緒
あ……ゴメンね。飲みの席でグチ聴いてくれたのも、その後面倒みてくれたことも感謝してるわ。
百瀬莉緒
……だけど、その飲みの席で「世界一セクシーな女になるのが夢よ!」とか叫んでた人が、
百瀬莉緒
巡り巡って、皇帝陛下になっちゃうなんてね。人間、分からないものね。
馬場このみ
私だって分からないわよ。いきなり王宮に呼び出されて、貴女が次の皇帝ですって告げられて。
馬場このみ
関係各所への挨拶どころか、心の準備もままならないまま、先帝達の魂と記憶が降りてきたし。
百瀬莉緒
へぇー、そんな感じだったんだ「初めての時」って。
馬場このみ
未経験者には分からないかもね〜……って、茶化さないの!帝国では一番大事な事なんだから。
百瀬莉緒
……このみ姉さんの中には、このみ姉さん自身の心と、先帝達の「魂」が共存してたわけね。
馬場このみ
まあ、すぐに融合したけど。先帝達の記憶は、すぐに私の持ってる思い出とかと同列になったし。
百瀬莉緒
それでかしら。せめて私と二人きりの時くらいは、お勤めの事忘れて馬鹿話でもしてればいいのに、
百瀬莉緒
このところ、帝国がどうだ『七英雄』をどうするだで、つまんない語りばっかりだったわよ。
馬場このみ
それは……だって私、皇帝だし。帝国と『七英雄』の件に責任持たないといけないでしょ。
百瀬莉緒
まあ、経験無かった時はガチガチに緊張しちゃうモンよね〜。……「次」は上手く行くんじゃない?
馬場このみ
いちいち言い方がヒワイよ……莉緒ちゃん、今日は絶好調ね。いっそ奇妙なくらいよ。
百瀬莉緒
……
百瀬莉緒
……名残惜しいけど、そろそろ時間かな。このみ姉さん、そろそろ目を覚ました方がいいわよ。
馬場このみ
……あ、これは夢の中なわけね。なんだ、焦っちゃったじゃない。一瞬、死後の世界と錯覚したわ。
百瀬莉緒
……今度は上手くやらないと駄目よ。もう「失敗」は、許されないんだから。
百瀬莉緒
あ、それと……このみ姉さん自身の夢のついでに、私の「モテモテになりたい」ってのも叶えてね。
馬場このみ
……莉緒ちゃん?
百瀬莉緒
……私が居なくなっても、ちゃんとやっていかないと許さないからね。……じゃあね。
馬場このみ
……なに、なんの話をしてるの?莉緒ちゃん、行かないでよ、私と一緒にいてよ……莉緒ちゃん!!
(台詞数: 45)