百瀬莉緒
このみ姉さん、私は一緒に行くけど、流石に二人旅では勝ち続けることは厳しいわよ。
馬場このみ
そうねえ……世界の命運と自分達の命を賭けるわけだから、あまり他の娘を巻き込みたくないけど、
馬場このみ
それで全滅しちゃったら、元も子もないわね。頼りになる娘を探さないとね。
百瀬莉緒
それじゃ、帝国軍の中から人材を探す?選抜のうえ訓練済みだから、腕は信用できるでしょ。
馬場このみ
確かにそうね。どの道、即位したから顔見せもしないといけないしね。一通り回りますか。
馬場このみ
……あ、その前に。莉緒ちゃん、お願いがあるんだけど……
百瀬莉緒
仰せのままに、皇帝陛下!
馬場このみ
もう、二人きりの時くらい、今まで通りに話してよ。お願いっていうのはね……
馬場このみ
……私の両手剣、莉緒ちゃんが遣ってくれないかしら?
百瀬莉緒
その、豪勢かついかにも業物って感じの曲刀?ちょっと気後れしちゃうけど……
馬場このみ
『ムーンライト』って銘打たれててね。片手でも両手でも振れるし、月の力も込められてるけど……
馬場このみ
……私には長過ぎるのよ!鞘から抜くのも一苦労だし。ズルズル引きずることになるし!!
百瀬莉緒
このみ姉さん、腕力はともかく上背は無いもんね〜。大っきな剣を持ってる姿も可愛いけどな〜。
馬場このみ
うるさいわよ!これからは皇帝拝領のこれを遣うこと!私は『幻獣剣』にするから。
百瀬莉緒
片手剣を選ぶなら、盾もキチンと装備してね。皇帝が道半ばで斃れるわけにはいかないんだから。
馬場このみ
……それじゃ、観兵といきますか!……扉を開けたら、皇帝と臣下の間柄だからね。
福田のり子
……
福田のり子
お、キミが新しい大将!?これからよろしくね!
馬場このみ
……いきなり、有る意味規格外な娘が来たわね。階段降りてすぐなのに。
百瀬莉緒
控えなさい!近衛兵(インペリアルガード)の身でありながら、陛下に対するその態度!
福田のり子
あ……申し訳ありません。衛士のくせに、陛下にお声を掛けてしまった無礼、お許しください。
馬場このみ
近衛兵(インペリアルガード)の、のり子ちゃんね。よろしく頼むわ。
福田のり子
はい!体力と体術に自信が有ります!!盾たる者が必要ならば、是非あたしをお連れください!
馬場このみ
そう、期待してるわ……
馬場このみ
そう、期待してるわ……うん?『体術』?貴女達には槍と小剣を下賜した筈だけど……
福田のり子
ええと……岩に千本打ち込みしてたら、槍がポキッと折れちゃいまして。
百瀬莉緒
腰に携える小剣はどうしたの?……まさか、徒手空拳で警護に当たってたの!?
福田のり子
ブーツの泥汚れをガリガリやってたら、グニャッとやっちゃいまして。えへへ。
馬場このみ
いい加減にしなさい!帝国軍の装備品は、全て臣民の税で賄っているのよ!
馬場このみ
それに近衛兵は、帝国の威厳を示す役も担ってるの!指示や規則を破ってどうするの!!
百瀬莉緒
……思い出したわ。今年の入隊者の中にずば抜けた体力の持ち主がいて、近衛兵に選ばれたって。
百瀬莉緒
試合では無双だけど、闘いぶりは膂力体力頼み。槍の技を磨かず、格闘家と組手ばかりしてるって。
百瀬莉緒
本来なら罷免のうえ一般兵に異動か、追放ものよね……いかがなさいますか、陛下?
福田のり子
え……?ど、どうか追放だけはお赦しください!
福田のり子
クラウザー号……あたしが飼ってる軍馬ですけど、あの子の飼い葉代を稼がないといけないし、
福田のり子
体力しかないあたしが、帝国やみんなの為になるには、兵の一員としてやっていくしかないんです!
馬場このみ
……
馬場このみ
……いずれにしても、忠実に警護の役に当たれないなら、今の任務に留め置くことはできないわ。
福田のり子
……
馬場このみ
……だから、城詰めの警護は別人にする。貴女は、私達と一緒に『七英雄』討伐の任につくこと。
福田のり子
……あたし、兵隊続けていいんですか!
百瀬莉緒
盾として、陛下を守ることに務めなさい。それと貴女の軍馬も、荷馬として接収するわ。
福田のり子
はい!クラウザー号ともども、よろしくお願いします!
馬場このみ
で、この娘の武器だけど……どうせ槍とか与えても折るだろうし。槍の技も無いなら、変更ね。
百瀬莉緒
私が元々装備していた大剣を与えます。道中、稽古つけてあげるから覚悟しなさい。
馬場このみ
『陛下、陛下は何処に。是非御目通りを!』
馬場このみ
……なんだか私、呼ばれてるみたいね。いったい誰かしら。
(台詞数: 47)