豊川風花
ふう……今日の撮影も疲れたなあ。ポーズを決めるためには、筋トレもしないといけないかしら?
馬場このみ
あ、おかえり風花ちゃん。今日も今日とてスタジオ巡り?
豊川風花
ただいま戻りました、このみさん。水着撮影に慣れてきたつもりでも、リテイクも多くて……
馬場このみ
私にはよく分からないけど、大変そうね。お肌に響いてくるから、早めに寝なきゃダメよ。
豊川風花
そうですね、このみさん。でもとりあえず、一息入れてから帰ります。
豊川風花
……
豊川風花
……?
馬場このみ
……どうかした風花ちゃん?私の顔に何か付いてる?
豊川風花
いえ、私が水着撮影した話をすると、このみさん……
豊川風花
『なんでオトナな私にはそういう仕事を回さないのよ!?プロデューサーにひとこと言ってくる!』
豊川風花
……とか、噛み付いてくることが多いから。今日はアッサリしてるかなって。
馬場このみ
風花ちゃんは、私をどういう風に見てるのよ?
馬場このみ
なあんてね。実は私、映画出演の話が来たのよ。主演じゃないけどね。
豊川風花
さっきから台本読んでたのは、そういう意味だったんですね。
馬場このみ
……
馬場このみ
……
馬場このみ
……プロデューサー、どこに行ってるのかしら。ひとこと言ってくる。
豊川風花
いきなりどうしたんですか?やっぱり、グラビア撮影の話がぶり返して来たとか……
馬場このみ
そうじゃないわよ!何よこの役!私がしたい仕事とかけ離れてるわよ。
豊川風花
どんな役なんですか?ええっと、プロデューサーの手書きメモが挟まってますね。
馬場このみ
「この作品は、男子高校生と、ある秘密を抱えたセクシーな女子高校生との恋愛ものです。」
馬場このみ
「このみさんの役は、男子高校生のお隣さんで、彼の姉的存在です。」
馬場このみ
「『私の方がお姉さんなんだから』、『膝を曲げて話しかけないでよ』といった台詞があります」
馬場このみ
これ、私が完全にヒロインの引き立て役って事じゃない!スタイルで負けてる、都合のいい女?
馬場このみ
別に年下と付き合うのに憧れなんてないけど、セクシーさもドキドキ感も無いわよ!頭に来るわ。
豊川風花
……確かに、映画の中ではあまり報われそうにない感じですよね。
馬場このみ
ああいいですよ。私もオトナだしプロですから。キチンと役目は果たしますから。
豊川風花
拗ねないでください、このみさん。……プロデューサーさんは、このみさんのことを考えてますよ。
豊川風花
だって、このみさんは頼りになって、心の広い大人の女性ですよ。まさに役にうってつけです。
豊川風花
お芝居で『ふり』をしてるんじゃない、このみさんの素の部分の魅力を世間に広めたいんですよ。
馬場このみ
……そう言われると悪い気はしないわね。じゃあ、アイドルこのみの代表作を作りましょうか!
馬場このみ
それじゃ私は、もう少し台本読んでから帰るね。お疲れ様、風花ちゃん。
豊川風花
それじゃ失礼します。このみさん、頑張ってくださいね。
馬場このみ
……
馬場このみ
……
馬場このみ
やっぱりプロデューサーにひと言わないと!何よこのシーン!
馬場このみ
ト書き:仲良しグループで、夏の海に遊びに来た。
馬場このみ
このみの役:「こんな水着しか持ってなくて、ゴメンね」
馬場このみ
ト書き:学生時代のスクール水着を来て登場する。
(台詞数: 39)