大神環
『おやぶん、肩車!』
大神環
環は時々、肩車をねだる。わかるなぁ、いつもの目線より高くなるのって、なんだかドキドキする。
大神環
よいしょ。さぁ、どうぞ?
大神環
環を乗せたら、僕はおやぶん号になる。走ったり、回ったり。爆走マシンだ。
大神環
『くふふ、いけいけー!すすめー!』
大神環
楽しそうな環につられて、思わず笑顔になってしまう。仕事の疲れも少し取れる気がする。
大神環
『あ、おやぶんストップ!』
大神環
ん、どうしたんだろう。何か見つけたかな?
大神環
『見て見ておやぶん、あの雲ドラゴンみたい』
大神環
どれだろう、あの雲かな?
大神環
『あっち!』
大神環
いたた、首を回すのは痛いからやめて?
大神環
……本当だ。あれが頭で、あのずーっと続いてるのが体。環は見つけるのが上手いなぁ。
大神環
『でしょー?この前はね、こぶんみたいなのも見つけたんだー』
大神環
『そうだ、おやぶんも一緒にやろ?どっちがすごいの見つけられるか、きょうそう!』
大神環
よしきた。負けないぞ。
大神環
『んー、おやぶんはしょしんしゃだから……ハンデあげる!』
大神環
『とぉっ!』
大神環
うわわ、飛び降りたら危ないってば!
大神環
『だいじょーぶ、たまきはヒーローだから高いところも平気なんだぞ!』
大神環
あんまりやらないでね……で、ハンデって?
大神環
『うんとね、おやぶんより背が高かったら、たまき、いっぱい見つけちゃうかもしれないから』
大神環
『だから、ハンデ!たまきは名人だからね』
大神環
よーし、後悔しても遅いからね?
大神環
『たまきも負けないぞ〜、あそこに座ってやろ?』
大神環
雲見つけ大会(環命名)in河原。戦いの火蓋が切って落とされた。
大神環
……雲を見つめるなんて、久しぶりだ。
大神環
夕日に染まる空。買い物帰りの親子。
大神環
目を閉じると、草の間を抜けていく風の音。隣にいる環の、うんうん唸る声。
大神環
……たまには、こうやってのんびりするのもいいかも。
大神環
『あー、おやぶん目閉じてる!余裕だな〜…』
大神環
あ、ごめんごめん。環はもう見つけたの?
大神環
『うんっ、3つ!』
大神環
『……んー?なんで撫でるの?』
大神環
なんでだろうね〜。
大神環
『変なおやぶん。でも、撫でられるの好きだしいっか…くふふ』
大神環
環と一緒に、雲探し。
大神環
寝転がって探してたら環と一緒に寝ちゃったのは、また別のお話。
(台詞数: 38)