北上麗花
あ、環ちゃんだ!シホールちゃんは?
大神環
今は寝てるよ。よっぽど疲れてたみたい。
北上麗花
そっか、やっぱり今日は色々ありすぎたもんね。
大神環
ねぇレイちゃん…シホールって悪い人じゃないよね。どうしてあんなこと言われたりしてるの?
北上麗花
う～ん……環ちゃんなら話してもいいかな。
北上麗花
環ちゃんはミキちゃんからあの森についてどこまで聞いたかな?
大神環
えっと…森に結界を張ってるのは昔ひどいことをされたせいってことぐらいしか…
北上麗花
そう。昔ね、あの森もこの世界もみんな平和でみんな仲良しだったんだ。
北上麗花
私達獣人族は人間にはない不思議な力があって、人間には私達にはない知恵があったの。
北上麗花
だからお互いにできないこととか助け合いながら暮らしていったりしたんだよ。
北上麗花
それにね、本当に仲の良い人たちはね種族を超えた恋愛とかもしてたんだ。
北上麗花
でもね、獣人族と人間から生まれた子どもはお互いになかった魔力と知恵を持って生まれてきたの。
北上麗花
この二つの力を持った子は危険な存在になるって思い種族を越えた恋愛は禁止されたんだ。
北上麗花
それでもお互いすっごく仲は良かったんだよ。
北上麗花
シホールちゃんも昔からこの森によく遊びに来てくれて私達ともすっごく仲が良かったの。
北上麗花
たまに内緒で村の方にも行ってたみたいだけどね。
大神環
内緒って誰かに止められたリしてたの?
北上麗花
今はもういないんだけどシホールちゃんの両親にね。危ないからって。
北上麗花
それで話が戻るんだけど、ある日森から獣人族の子どもたちが攫われるっていう事件が起こったの。
北上麗花
目的は私達の魔力を上手く利用して自分たちが楽をしようとするっていうものだったんだ。
北上麗花
そんな悪い人たちに捕まった子どもたちはいう事を聞かないとムチで叩かれたりしたんだ。
大神環
それはひどいね。
北上麗花
でしょ。それを知ったシホールちゃんはその子達を助けるために一人で助けに行ったんだ。
北上麗花
悪い人達の隙をついて何とか全員助けて森に返したんだけど…
北上麗花
それに気づいた悪い人達はまた森に来て悪さをしようとしたの。
北上麗花
だからシホールちゃんの手伝いもあって森に強力な結界を張ったんだ。
北上麗花
でも…そのせいで大きな誤解が生まれてしまったの…
北上麗花
ある日突然入れなくなった森、そして…なぜかその森を自由に行き来できるシホールちゃん…
北上麗花
事情を知らない人たちはシホールちゃんが森に結界を張り悪いことをしたと決めつけちゃったんだ。
北上麗花
それに悪い人だから村から離れたお城に住んでいるっていう勘違いもしてるみたい。
北上麗花
それ以来シホールちゃんは人間のことが信じられなくなっちゃったんだ。
北上麗花
勇気を出して私達を助けてくれたのにひどい話だよね。
大神環
レイちゃん…シホールってもしかして…
北上麗花
気付いたかな?シホールちゃんはハーフなんだよ。
北上麗花
そして昴、みゃお、うみしし、ミキ、そして私…。
北上麗花
私達はみんなシホールちゃんに助けてもらった子ども達なんだ。
北上麗花
あ、でも助けてもらったからシホールちゃんについていってるわけじゃないよ。
北上麗花
みんなあの子のことが大好きだから一緒にいるだけなんだよ。
大神環
みんなシホールのことが大好きなんだね。
北上麗花
そうだよ。だから私達は思ったんだ、このままじゃいけないんだって。
大神環
たまきもどうにかしてシホールを助けてあげたい!でもどうやったら…
北上麗花
たまきちゃんなら…ううん環ちゃん達なら絶対に助けてあげられるよ。
北上麗花
だってシホールちゃん、人間が信じられなくなっても遊ぶことはすっごく大好きなんだもん。
大神環
それじゃあ村の子どもたちを連れ去ったのって…
北上麗花
ちょっと違うかな?連れ去ったんじゃなくて連れて行ってもらったんだよ。
北上麗花
だってあの子達、シホールちゃんと一緒に遊んだことのある子どもたちなんだもん。
大神環
そういうことだったんだね。そしたらシホールだけじゃなくて村の人達の誤解も解かないと…
大神環
………。レイちゃん、お願いがあるんだけどいいかな?(こしょこしょ)
北上麗花
………。わかった。環ちゃんがそういうならやってみよっか。
北上麗花
それならあの子達にも協力してもらわないとね。きっと手伝ってくれるよ。
(台詞数: 50)