福田のり子
『火の上に乗せた大釜の水は、やがて湯気を発してお湯になっていきます。』
大神環
おにさん、そろそろ良い湯加減じゃないか?
福田のり子
ん~、まだまだ。
福田のり子
『さらに時間を置くと、お湯がぐつぐつと煮えてきました。』
大神環
ちょっと熱そうだぞ?火を止めなくていいのか?
福田のり子
まだまだ。
福田のり子
(この子はどんな食感や味なんだろうな?子供だから、お肉が柔らかそうだ♪)
大神環
おにさん、笑ってる。なにか良い事でもあったの?
福田のり子
ん?…あぁ、そうだね。もうすぐお風呂に入れると思うと嬉しくてね♪
福田のり子
さて、もうそろそろかな。さっ環ちゃん、入ろうか。
大神環
それじゃ、おにさんが先に入るといいぞ!
福田のり子
えっ……、ア、アタシは後で入るよ。環ちゃんはよく働いてくれたからね。汗を流したいでしょ?
大神環
母さんが言ってた。「どんな人でも親切にしろ」って。
大神環
だから、さっきから寒がっててお風呂に入りたがってる、おにさんが先に入って!
福田のり子
た、環ちゃんのお母さんは良い事言うね。でも、この釜はそういうことじゃなくて……
大神環
そういえば、釜の中に入るためのハシゴがないぞ…。
大神環
そうだ!たまきがおにさんを持ち上げて入れさせてあげる!
福田のり子
いや!…大丈夫、自分で入るからさ、ね?
大神環
遠慮しないで!(ヒョイッ)
福田のり子
ヒイィ!?アタシが軽々と持ち上げられちゃった!
福田のり子
『環は鬼を持ち上げ、そのまま大釜に投げてしまいました。』
福田のり子
(ザバーン!)うぎゃーっ!熱い!!熱いよ!!
福田のり子
(ザバーン!)うぎゃーっ!熱い!!熱いよ!!リアルに熱いヤツだよこれ!!
福田のり子
『あまりの熱さに、鬼は釜から飛び出しました。』
福田のり子
『しかしお尻を火傷してしまい、環がいくら息を吹きかけて冷まそうとしても全然治まりません。』
大神環
おにさん、やっぱり熱過ぎたんだよ……。
大神環
今度は、たまきの家におにさんを連れてく。母さんに火傷を治してもらおう。
福田のり子
うぅ……。すまないね。
福田のり子
『環は鬼を背負って、急いで家に向かいました。』
大神環
『つづく!』
(台詞数: 30)