ジュリア
いや助かったよホント。
ジュリア
アンタが通りがからなかったら、あたしはここで一晩過ごさなきゃいけなくなる所だったよ。
豊川風花
いえ、困った時はお互い様ですから。
ジュリア
恩に着るよ。よければこれ持って行ってくれ。
豊川風花
え、それって爆薬…ですか?
ジュリア
あぁ、爆薬型の弁当なんだ。こっから開けられる。
豊川風花
あっ、お米♪
豊川風花
助かります。ありがたく頂きますね。
ジュリア
はいよ、刺激的な味だからきっと楽しんで貰えると思うよ。
ジュリア
ところでアンタ、この辺の人かい?
豊川風花
いえ、私はシアタ村の者です。
ジュリア
へぇ、歩きじゃここまで2日くらいかかるんじゃないの?大変だったろ?
豊川風花
いえ、これでも若い頃はあちこち旅していたので。慣れたものです。
ジュリア
で、どこまで行くのさ?
豊川風花
ジムショの街まで。
ジュリア
ジムショ!?そりゃまた随分遠くまで行くんだな。なんか大切な用でもあるのか?
豊川風花
はい。
豊川風花
あの……以前お世話になった人の訃報が届いたので。
ジュリア
おっと……ごめん、悪いこと訊いちまったかな。
豊川風花
いいんです。もう何年も会ってない人でしたし。
ジュリア
でも、そういう事なら急いでるんだろ。駕籠か馬車でも雇った方が良いんじゃないか?
豊川風花
いえ。急いではいるのですが、歩いて行きたいんです。
ジュリア
……何か理由が?
豊川風花
私の自己満足なんですけどね。私はもう1人でも生きていけるって見て欲しくて。
豊川風花
それに、あの人と一緒に旅した時と同じ速さが良いんです。
豊川風花
その方が、色々思い出せるから。
ジュリア
…………
豊川風花
街に着いたらあの人が好きだった花をお墓に供えます。私はそれで良いんです。
豊川風花
あの人も、きっとそれで分かってくれます。
ジュリア
ふぅん。
ジュリア
なんつーか、大切な人っていうか、思い入れがあるんだな。その人に。
豊川風花
そうですね。あの人が居なければ今の私は有り得ないと思います。
豊川風花
どうして出会えたかも分からない妙な関係だったのですが、私の大切な恩人です。
ジュリア
そっか。
ジュリア
人の縁って不思議なもんでさ。きっとアンタとその人も出会うべくして出会ったんだと思うよ。
豊川風花
そうでしょうか?
ジュリア
うん。きっとそうだよ。
豊川風花
人の縁ですか。
ジュリア
あぁ。運命って言葉は嫌いだけど、それでも人同士を結びつけるモノって多分あると思うんだ。
ジュリア
もしかしたらあたしとアンタだってまた何処かで出会うかもしれないよ。
豊川風花
ふふ、そうですね。きっとまた会えると思います。
ジュリア
あたしもだ。
ジュリア
っと、引き止めちゃったかな。悪かった。
豊川風花
いえ、あなたと話せて良かったです。
ジュリア
ああ。気をつけてな。
豊川風花
あなたも。
ジュリア
じゃあ。
豊川風花
ご機嫌よう。
(台詞数: 48)