豊川家の別荘
BGM
オレンジの空の下
脚本家
澪蓮(みれん)P
投稿日時
2016-08-09 01:37:31

脚本家コメント
怪談話ドラマの流れが出てきてますが…自分は怖い話が苦手なんで不思議系のでご容赦を^^;
ここ数日色々と命について考えさせられる出来事があったので…それも踏まえて落ち着いたらドラマ作りたいって思ってました…。
説明不足な感は否めないですが…

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豊川風花
プロデューサーさん、今日はお掃除の時間の工面と、手伝って貰って、ありがとうございます。
豊川風花
一年に一度はこの別荘の掃除と、前の持ち主のお墓参りに行きたいって思ってたので…。
豊川風花
…え?これは風花の家の別荘じゃないのか?って?…確かに名義は私のですが…。
豊川風花
…実は、この家の前の持ち主は…私の看護師時代に担当してた患者さんだったんです。
豊川風花
…でも、最初は凄く大変だったんですよ?我儘言いたい放題で、偏屈で…。
豊川風花
だから、新人への当てつけじゃないですが…一番新人だった私がその人の担当になったんですよ。
豊川風花
…でも、色々身辺調べてみたら天涯孤独のお婆ちゃんだったって、わかったんです。
豊川風花
ご両親にご兄弟は戦争の犠牲になって、娘夫婦も事故死…。
豊川風花
聞けば、入院するまでの40年間はずっとこの家でたった1人で自給自足の生活をしていたそうで…
豊川風花
だから、その寂しさの反動から我儘放題だったんじゃないかなって…思ったんです。
豊川風花
だから、私は時間の許せる限り、そのお婆ちゃんの相手をしていました。
豊川風花
…最初は自分の事だけで言いたい放題でしたが…。
豊川風花
次第に家の畑のお話とか、裏山の山菜の話とかして下さるようになって…。
豊川風花
最後は私の事を『孫娘が出来たみたいだ』って言ってくれたんですよ。
豊川風花
…私がアイドルを目指す為に病院を退職する時は細い腕で抱き締めてくれて…
豊川風花
『風花ちゃんの歌声はみんなを元気にしてくれるから、頑張りなさい。』
豊川風花
『私はあなたのファン1号だからね。』って笑ってくれたんです。
豊川風花
…その後もレッスンの合間を縫ってお見舞いに通ってはいたんですが…。
豊川風花
その頃には車椅子無しでは生活出来ないぐらいに身体が弱ってました…。
豊川風花
…そして、私が参加する事になった初ライブ…
豊川風花
緊張で胸が張り裂けそうな舞台の上から見た、沢山のサイリウムの光の中に…
豊川風花
お婆ちゃんが立ち上がって手を振ってくれてたんです!
豊川風花
その姿を見た時に緊張は一気に解けて、私は歌い切る事が出来ました!
豊川風花
…ですが、ライブの後に元同僚からのメールで、そのお婆ちゃんの訃報を知りました…。
豊川風花
死亡時刻はライブの終わった時間と一緒…病院の中で笑顔で眠るように亡くなったと…。
豊川風花
…じゃあ、あの時私が見たお婆ちゃんの姿は…何だったんでしょうか?
豊川風花
その後に見た遺言状には、『この家と土地を私に全て委ねる』と書いてありました。
豊川風花
デビューしたての私にはあまりにも重い遺産でしたが…
豊川風花
…私はこれを引き継ぐ事を承諾しました。
豊川風花
…そして、この家の庭で眠るお婆ちゃんの想いを忘れず常に初心を思い出す為に…。
豊川風花
ここを守っていく事が、私のアイドルの原点のひとつ…と思ってます!
豊川風花
さぁ、プロデューサーさん…お墓参りをしたら…お仕事、行きましょう!
豊川風花
来年もお婆ちゃんに良い報告が出来るように…!
豊川風花
私は胸を張って歌い続けてますよ…!って言えるように!

(台詞数: 34)