魔性の女
BGM
bitter sweet
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2015-10-15 14:53:09

脚本家コメント
タイトルを並びかえると魔女の性
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豊川風花
私はとある魔女の弟子でした
豊川風花
小さい頃に才能を見出された私は魔女の後継ぎとして育てられる事になって
豊川風花
親元を離れて魔女に引き取られた私
豊川風花
まだ幼かった私は怖くて泣いてしまいました
豊川風花
すると、魔女は私の頭を撫でながら・・・
豊川風花
「ごめんね・・・ごめんね・・・」
豊川風花
「こんな思いをさせてしまってごめんね」
豊川風花
懺悔をするみたいに、物悲しそうに言葉をポツリとこぼします
豊川風花
その言葉にはスペルが掛かっていたのかもしれません・・・
豊川風花
不思議と私は彼女を許してしまいました
豊川風花
だって・・・なんだかとても悲しそうに見えたから・・・
豊川風花
傍にいてあげなくちゃって思えたんです
豊川風花
そして私は魔女の見習いになりました
豊川風花
魔女になるためには試練を乗り越えなくてはいけない
豊川風花
とある魔女ははじめにそう教えてくれました
豊川風花
私はどうして魔女に後継者が必要なのか、ふと疑問に思った事を聞いてみると・・・
豊川風花
魔女の魔力は有限で、何世紀も生き続けると魔力が段々と弱まり失くなっていく
豊川風花
だから、魔女は魔力が完全に失われる前に膨大な魔力を貯蔵する事ができる器を見出し・・・
豊川風花
その力を継承していくんだよ、と答えてくれました
豊川風花
それから魔女になるための修行がはじまりました
豊川風花
でも、普通の人が想像しているような厳しい修行とは違いまして・・・
豊川風花
その非日常は淡々と過ぎていきました
豊川風花
魔女は普通の生活を並行して送る事も私に許してくれました
豊川風花
一般の人達の生活に同化をして、ごく普通の日常を送ることができました
豊川風花
きっと私から日常を奪い去った魔女なりの罪滅ぼしなのかもしれませんね・・・
豊川風花
そんな事を思ったりもしていました
豊川風花
そんな日々を送る中で私にも大切な人ができました
豊川風花
普通の人になら誰にでも訪れるありふれた恋
豊川風花
ある日、魔女は突然私に言いました
豊川風花
「継承する準備が整った、これから最後の試練を行う」と・・・
豊川風花
最後の試練!
豊川風花
それは・・・大切の人の記憶から私を消し去ることでした
豊川風花
普通の生活を送る事を許してくれたのも、全てはこの日の為だと気付いた時・・・
豊川風花
胸の奥が締め付けられて、とても苦しかったです
豊川風花
でも、いいんです
豊川風花
不思議と彼女を恨むことはできませんでした
豊川風花
責めるつもりもありませんでした
豊川風花
ただ、彼女の背負ってきた役目と業を受け入れようと思いました
豊川風花
それが私の役目ですから!
豊川風花
きっとあの日、物悲しそうに私にこぼした言葉は全てを暗示していたのでしょう
豊川風花
これはきっと魔に見出されて、魔に魅させられた者の悲しい性
豊川風花
私は彼女の目をしっかりと見据えて微笑むと・・・
豊川風花
「こんな思いはもうしなくていいですよ」
豊川風花
「いままでお疲れさまでした」
豊川風花
そう告げる・・・
豊川風花
そして何代にも渡って注がれてきた魔の灯を継いで・・・
豊川風花
私は魔女になりました

(台詞数: 47)