Empoworment Herself
BGM
Eternal Harmony
脚本家
イッパイアッテサ
投稿日時
2015-06-08 23:01:48

脚本家コメント
EHのイベントも終わりましたので、
先の2ndライブと重ね合わせながら、ドラマを書いてみました。
自分にとって、メモラブルな意味合いも持たせてのドラマです。
余談ですが、末柄さんのステージ衣装の帽子。リボン飾りが、最初『ネコ耳』に見えました。

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ジュリア
「相棒」と別れて、楽屋を出る。……愛用のギターの出番は、今日は終わりだ。
豊川風花
衣装の帽子を気にしながら、ステージに向かう。これだけ大きな会場。緊張は解けない。
ジュリア
……なるつもりも無かった、アイドルとしての日々。それよりずっと前から、ギターは心の支えだ。
豊川風花
……なれると思わなかった、アイドルとしての自分。それを諦めた象徴だった、ナースキャップ。
ジュリア
……あいつは、大きなステージの度に、あたしにギターを弾く曲をくれる。
豊川風花
今回の衣装に、帽子が付いているとは思わなかった。もちろん、ナースキャップとは似てないけど。
ジュリア
アイドルらしい、いかにも「女の子」な歌ばかりあてがっては、乗り気じゃなくなると考えてか?
豊川風花
まさか、私が初めて大舞台に立つから、前職に近い雰囲気を出して落ち着きを保たせてくれるの?
ジュリア
……そんな甘っちょろくない。あいつもプロ。ライブを最高にするのに、ギターも必要と考えた筈。
豊川風花
……そんなのは、私の思い込み。みんなを一番可愛くするのに、この帽子も必要だったから。
ジュリア
……変わったな、あたしも。前は、パンクをパンクらしく歌いあげなきゃ、満足できなかったのに。
豊川風花
……変わったのかな、私。奉仕の仕事を捨て、アイドルになったのに引け目もあったのに。
ジュリア
今は、ファンが興奮することが一番だと感じてる。キャッチーな曲でも演歌でも、何でも良いんだ。
豊川風花
今は、ステージに立てるのが嬉しい。自分のためにやってる芸能活動が、肯定されてる気がして。
ジュリア
……シンガーとしての時間は勤め上げた。次は、アイドルとしてのステージでパフォーマンスだ。
豊川風花
私のためだけに作ってもらった歌はお終い。次は、ユニットで、ファンと一緒に歌う曲の番。
ジュリア
……この曲も、デモテープ渡された時は面食らったぜ。あたしが歌うには、可愛い過ぎるだろ。
豊川風花
……この曲を聞いた時、歌うのが怖かった。歳もあって物静かな人間が、明るくポップな歌なんて。
ジュリア
まあ、あのチハも歌って踊るんだ。真のシンガーなら、選り好みせずやってのけないとな。
豊川風花
でも、エミリーちゃんやまつりちゃんに頼り切るわけにはいかない。私は、私らしく歌わないと。
ジュリア
五人揃って歌うのは叶わなかったが……二人だけじゃつまらないなんて言わせねえ。
豊川風花
今日は二人だけだけど、来てないみんなの為にも、最高に盛り上げてみせるわ。
ジュリア
「じゃあ行くか、フーカ!」
豊川風花
「ええ、頑張りましょうジュリアちゃん。」
ジュリア
前曲のアウトロが終わる。ライトが照らす相手が、あたし達に変わる。
豊川風花
ステージが切り替わる。みんなの注目が、私達に集まってくる。
ジュリア
始まる。パンクの檻から解き放たれた、あたしのステージが。
豊川風花
広がる。自責の念を乗り越えて、アイドルとしての私の時間が。
ジュリア
届ける曲は、もちろん!あたしの大事な曲!
豊川風花
私達の、私の大好きな歌!『Eternal Harmony』!

(台詞数: 30)