宮尾美也
あれ~、ジュリアちゃん。こんにちは
ジュリア
ああ!ミャオ!丁度良かった!助けてくれ!
宮尾美也
む~?どうしたんですか?その女の子
ジュリア
いやさぁ・・・。迷子みたいなんだけど・・・
宮尾美也
おや~、そうでしたか~。迷子の迷子のオチビさん。あなたのおうちはどこですか?
宮尾美也
???
ジュリア
・・・手話だよ。どうもこの子。・・・耳が聴こえないらしい
宮尾美也
なんと~。これは一大事ですね
ジュリア
なぁミャオ。ダメ元で聞くけど。手話分かるか?
宮尾美也
全然わかりません
ジュリア
だよなあああ。ああ、チクショウ。もういっそ警察に
宮尾美也
でもこの子とはお話できますよ
ジュリア
へ?
宮尾美也
ねえ、おててを出して。うん。そうそう
宮尾美也
『お・う・ち・の・で・ん・わ・わ・か・る・?』
ジュリア
ああ、なるほど。掌に文字を書けばいいのか。思いつかなかったな
宮尾美也
ふむふむなるほど。わかりました。電話してお母さんに来てもらいますね
宮尾美也
(prrrr)もしもし?
宮尾美也
お宅のお子さんは預かった
ジュリア
どういう言い方してんだよ!貸せ!
ジュリア
はい。はい。大丈夫です。怪我も何もしてませんよ。はいその公園です
ジュリア
ふう。よかった。すぐに親御さんが迎えに来るってよ。あっちこっち探してたみたいだ
宮尾美也
なるほど~。じゃあそれまでジュリアちゃんのソロライブ開催ですね~
ジュリア
なんでだよ!
宮尾美也
折角ギターがあるのにもったいないじゃないですか
ジュリア
いや、でもよ。その子・・・。ほら、耳が・・・
宮尾美也
大丈夫ですよ。ほらちょっとこっち来て
ジュリア
お、おいミャオ
宮尾美也
そうそう。そうやってジュリアちゃんの背中にね。耳をピタッとくっつけて
宮尾美也
ほら、ジュリアちゃん。歌ってください
宮尾美也
これならちゃんと、この子にも『響き』ますから
ジュリア
!?
ジュリア
・・・・・・そうだな。じゃあ歌うか
ジュリア
(何ともヘンテコな感覚だな。歌を届ける相手の顔を見ずに歌うってのは)
ジュリア
(でもまあ、なんつうか)
ジュリア
(こうやって自分の中に歌を『響かせる』のを意識するってのも、面白いな)
ジュリア
聴いてくれ。『プラリネ』
ジュリア
『耳の聞こえない観客に、特別な歌を歌って、歌い終え所で丁度その子の親御さんがやってきた』
宮尾美也
いえいえ~。そんなそんな~。お礼なんて~
ジュリア
ん?どうしたんだ?あたしに何か言いたいのか?
ジュリア
ああ、そうか
ジュリア
・・・・・・
ジュリア
・・・・・・ありがとな。もう迷子になるなよ
宮尾美也
ばいば~い。またどこかでお逢いしましょ~
宮尾美也
・・・・・・ねえジュリアちゃん。あの子なんて書いてくれたんですか?
ジュリア
ああ・・・、長いこと歌ってるけど。初めて言われたよ
ジュリア
『き・も・ち・よ・か・っ・た』だってよ
宮尾美也
良かったですね。・・・・・・響いて
ジュリア
ああ・・・・。そうだな。またいつか、あの子に響く歌、歌ってやらないとな
ジュリア
~おしまい~
(台詞数: 50)