宮尾美也
外は白雪。寒い季節
宮尾美也
みゃおはあたたか家の中。
宮尾美也
本を読むご主人に寄り添って。
宮尾美也
ふたり、しあわせな時間です。
宮尾美也
でも、みゃおはもっとかまってほしい。
宮尾美也
ごろごろ喉を鳴らしても。
宮尾美也
みゃおみゃお遊ぼと鳴いてみても。
宮尾美也
やっぱりご主人、本に夢中。
宮尾美也
む~。
宮尾美也
みゃおはちょっとだけ怒りました。
宮尾美也
ねこをなめてはいけません。
宮尾美也
ぴょんと向かった朝日が眩しい東窓。
宮尾美也
ふふふ、みゃおは知っています。
宮尾美也
なんと、この窓から外に出られるのです。
宮尾美也
では、ご主人行ってきます。
宮尾美也
みゃお~。
宮尾美也
てくてく辺りは銀化粧。
宮尾美也
くるくる周りを廻ってみても。
宮尾美也
鳥さんもねずみさんもお留守のようです。
宮尾美也
くしゅん。
宮尾美也
……あっという間に帰りたい。
宮尾美也
では帰りましょ~。
宮尾美也
ただいまです~。
宮尾美也
……あれ?
宮尾美也
かりかり。
宮尾美也
窓が開きませんよ?
宮尾美也
かりかり。
宮尾美也
まさかご主人、寒くて閉めちゃった?
宮尾美也
みゃおみゃお鳴いても届きません。
宮尾美也
それでもみゃおみゃお。
宮尾美也
何度も何度もみゃおみゃーみゃー。
宮尾美也
鳴いても泣いても、ご主人来ない。
宮尾美也
かりかりするのも疲れてしまって。
宮尾美也
すみっこまん丸、ひとりぼっち。
宮尾美也
ご主人このまま来ないのかな……。
宮尾美也
そんな悲しい気持ちに暮れた時。
宮尾美也
家からみゃおの名前を呼ぶ声がする。
宮尾美也
みゃおはここだよ、みゃおはここだよ。
宮尾美也
みゃおみゃーとしか言えないけれど。
宮尾美也
いっぱい、いっぱい泣きました。
宮尾美也
――――――
宮尾美也
外は白雪。寒い季節。
宮尾美也
みゃおはあたたか家の中。
宮尾美也
今日は特等、ご主人の膝の上。
宮尾美也
やっぱりずっと、ふたりがいいね。
宮尾美也
ご主人は相変わらず本が好き。
宮尾美也
けれど、みゃおはご主人が好き。
宮尾美也
つまりそれでいいの……です。
宮尾美也
今日も夢の中におやすみなさい。
宮尾美也
ご主人の両手……あったかいね。
(台詞数: 50)