宮尾美也
「も~、そんなに見つめられると照れちゃいますよ~?」
宮尾美也
いつからでしょうか。プロデューサーさんに見つめられると、こんな気持ちになってしまうのは。
宮尾美也
少女漫画でよく見かけるような、大きな転換期は無かったと思うのですが…。
宮尾美也
プロデューサーさんがお仕事に付いてきてくれると嬉しくて。
宮尾美也
プロデューサーさんにお疲れさまでしたって言うときが切なくて。
宮尾美也
私が眠ってしまうその瞬間まで、プロデューサーさんのことを考えてしまって。
宮尾美也
夢の中へ行くのは目を瞑って5秒もかからないですけど。
宮尾美也
この気持ちはなあに?
宮尾美也
そう尋ねないと分からないほど、私は小さな子供ではないから、この気持ちの正体は分かります。
宮尾美也
…分かってしまうだけに、この気持ちは厄介です。
宮尾美也
まるでサナギさんがちょうちょさんになるように、私の中で大きくなってしまいました。
宮尾美也
私の心で大きくなってしまったこの気持ちは…。
宮尾美也
私が、とうとう気づいてしまったこの感情は…。
宮尾美也
…無かったことになんてできません。
宮尾美也
だって、一度羽開いたちょうちょは、蛹に戻れないですから。
宮尾美也
私の心の中の、ちょうちょさんが訴えてきます。
宮尾美也
『キラメク風に乗って、今すぐにでもあの人へ会いに行きたい』って。
宮尾美也
…プロデューサーさんの所へ行きたいのは、私も一緒です。
宮尾美也
プロデューサーとして、隣を歩いてくれるだけじゃ無くて、もっともっと近付きたい。
宮尾美也
手を繋いで、寄り添い合って歩いて行きたい。
宮尾美也
それでも、アイドルというお仕事は許してはくれません。
宮尾美也
アイドルにならなければ、プロデューサーさんと合えなかったのに…。
宮尾美也
アイドルになってしまったせいで、プロデューサーさんに近づけません。
宮尾美也
…………………………………。
宮尾美也
もし、アイドルというお仕事のてっぺんにたどり着いたら、あの人の所へ行けるのでしょうか?
宮尾美也
そうすれば、心の中のちょうちょさんを見て見ぬふりをしなくても良いのかもしれません。
宮尾美也
…プロデューサーさんのため、だなんて常識外れかもしれないですけど。
宮尾美也
ほんのちょっぴりだけ、そんな気持ちがあっても悪くないですよね?
宮尾美也
今はまだ弱々しくて、すぐに止まってしまいそうな、頼りない翼ですけど。
宮尾美也
私と一緒なら、きっとどこまでも飛べちゃいます。だから、一緒にあの人の所へ行きましょう。
宮尾美也
アイドルのてっぺんまで飛んでいって、あの人の隣に降りたって、そうしたら……。
宮尾美也
────────。
宮尾美也
私は、プロデューサーさんと一緒に座っていたベンチからすっと立ち上がって。
宮尾美也
三歩だけ歩いて、スカートをツバサのように翻しながら、プロデューサーさんの方を向いて。
宮尾美也
私ができる、最高の笑顔をプロデューサーさんに見せながら。
宮尾美也
「私、ぜ~ったいにトップアイドルになりますから、ぜ~ったいに離れないで下さいね?」
(台詞数: 36)