近世のラプンツェル 1
BGM
星屑のシンフォニア
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2016-03-13 02:36:02

脚本家コメント
【のり子編9話】
9話って書いてあるのにここで唐突なナンバリング!いったい何を考えているのか!

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福田のり子
元よりアタシに選択肢など無い訳で、結局此処で働くことになった。
福田のり子
表向きには、父のコネで特別なポジションを与えられた一人の技術者として。
福田のり子
だが、秘密の漏洩を防ぐ為に、アタシには多くの監視がついている……らしい。
福田のり子
アタシは普通に生活しているだけで、特に監視の存在を感じた事は無いけど、
福田のり子
その事がいっそう、アタシを窮屈に感じさせていた。さらに、他の一般科学者との過剰な接触。
福田のり子
これも禁じられており、誰もが入れる食堂には結構立ち入り禁止になっている。
福田のり子
だから、他の科学者と会うこともあまり無く、怪しまれない様に女神様の演説に出席するくらい。
福田のり子
ちなみに、アタシが他の子と話そうとすると突如研究室に呼び出されたり。(行っても無人)
福田のり子
どこから湧いたのかいきなり律子さんが邪魔しに来たりする。
福田のり子
だから静香ちゃんがアタシに話しかけて来た時、何の邪魔も無かった時にあの子の事はなんとなく。
福田のり子
あ、違う団体の人なんだと思った。
福田のり子
ただ、話し相手にも飢えてたから、嘘でも仲良くしてくれて嬉しかったのは事実。
福田のり子
それでもそんな静香ちゃんも、時が来たのか事情が変わったのか、ちょっと前に現れなくなった。
福田のり子
『今までお世話になりました。何かあれば力になります』
福田のり子
というメールを残して。勿論すぐメールしたり電話したりしたけど何の反応も無かった。
福田のり子
さて、そんでもって。アタシは塔の隠された力を引き出す師匠的役割を担っているわけだけど。
福田のり子
律子さんは「別にフリでもいいから研究室にいてー」と言っていたけれど、アタシだって技術者。
福田のり子
親父に出来たならアタシにも出来るはず!と、息巻いて謎解きにかかっていた。それから時は経ち!
福田のり子
「うわ!わかんね!何でこれでちゃんと動かないのさ!」
福田のり子
見事に撃沈していた。これの原理は分かったし同じ物を作れって言われたら再現できる。
福田のり子
所まではなんとかなったのに。何故こんなしょうもない動きしか出来ないのかさっぱり。
福田のり子
そもそも動力の不調で機能が落ちるってのもよく分からんし。この塔は本当に歪な科学だと思う。
福田のり子
「なんか本当に生き物っぽいんだよね。これ」
福田のり子
勿論そんな訳は無いのだけれど、そんな得体の知れない雰囲気が、これには詰め込まれていた。
福田のり子
「はぁ、これを見ると、きっと何かが足んないんだろうなあ」
福田のり子
と、いう考えに至った根拠が一つ。設計図を見ていて気づいた、動力系の中心に空いている空間。
福田のり子
空間って言っても本当に物理的なただの空間ではあるのだけど、空間にも程があるぐらいの。
福田のり子
とてつもなく広い、作るときに何も思わなかったん?ってくらいの空間が空いていて。
福田のり子
「あ、これもしかして何かあるはずの物が無くてこんな機能不全に陥ってる?」
福田のり子
という考えにすぐに至ったけれど、それが分かったところで、といった具合だった。
福田のり子
ただ、父を含めた科学者が全員居なくなった原因が、ここにある……ような気がしていた。
福田のり子
「もしかして、その原因が分かれば、真相に近づいたりする?」
福田のり子
って、大人が分からん事はアタシにもわからないか。そういうの考えるの苦手だしなー。
福田のり子
ちなみに、定期的に律子さんを通して成果を報告しなければならないのだけど。
福田のり子
「今はあんまり進んで無いけれど、ふとしたきっかけでめっちゃ捗りそう!次回に期待!」
福田のり子
を繰り返して誤魔化している。けど、そろそろ間に挟まれた律子さんが危なそうなんだよね。
福田のり子
なーんて、言ってる間に静香ちゃんの件を受けて律子さんが腹を決める!一体何を決めたんだろう!
福田のり子
「ごめん政府!アタシには何がなんだかさっぱり!」
福田のり子
「やっぱそうかー。でもここまで頑張ってくれたし、りっちゃんに免じてもう好きにして良いよ。」
福田のり子
という作戦な訳である!というか律子さんは最初からそういうつもりだったらしいけど。
福田のり子
アタシのワガママで、時間稼ぎをしてもらっていた。律子さんにとってはどうか分からないけど。
福田のり子
アタシには、この塔に執着する理由があったわけで。あ、またそれは今度話すね。
福田のり子
ま、そんなわけで。律子さんからはその猶予をちょっともらったと。あんまり時間ないなあ。
福田のり子
うーん、考え方を変えるべきなんかもしれない。そもそも、何故父がそんな重要な研究をしてたか、
福田のり子
なんか、言うほどあの人の研究と関係無いんだよね。元々あの人は全然関係ない……
福田のり子
人工知能の研究をしている人で、いつも星の意志は人の意志云々言ってる危ない人だ。
福田のり子
アタシにとってはあの人にしかヒントが無いんだし、あの人の話を思い出すしかないんだよね。
福田のり子
いや、でも何考えてるか分からんし、そもそもアタシになんであんなこと話したのか引っ越しさせ…
福田のり子
……ん、あれってもしかして。
福田のり子
……ここで、アタシはやっと気づきたくない事に気づいたみたいだった。

(台詞数: 50)