真壁瑞希
鏡は、いつも事実を写している
真壁瑞希
鏡は、世界の全て
真壁瑞希
この世界は欺瞞に満ちている。
真壁瑞希
拍子抜け、戦犯、独りよがり、失敗作、自己満足、無能、無駄な時間、嫌われ者
真壁瑞希
呆れるほど、目にしたモノだ。
真壁瑞希
ああ……今、写っている人達か…
真壁瑞希
自分の後ろでやたらと騒がしいのがいる。
真壁瑞希
釣られて周りも、騒ぎをするものだから耳がイタい
真壁瑞希
成る程……批判したくなる理由もわかる
真壁瑞希
そういうものなんだなと納得する。
真壁瑞希
鏡は、いつも事実を写している
真壁瑞希
これまでも、きっとこれからも……
真壁瑞希
鏡に映る世界
真壁瑞希
それがすべてを捉えている。
真壁瑞希
嘘を写す事がないのだから
真壁瑞希
それなら、自分を磨いている方が合理的だ。
真壁瑞希
……化粧を直し、衣装を変える。
真壁瑞希
何度も何度も繰り返し、自分を磨いていく
真壁瑞希
そうして、最高の自分に近づいていく
真壁瑞希
……。
真壁瑞希
……。
真壁瑞希
………足りない
真壁瑞希
……何かが、足りない
真壁瑞希
最高の自分を作り上げたはずなのに
真壁瑞希
…何故だろう?
真壁瑞希
自分の後ろにいる舞台のヒロインの方がキラキラしているではないか…
真壁瑞希
彼女たちは欺瞞の象徴だ。
真壁瑞希
鏡が、そう告げているじゃないか
真壁瑞希
わかっている
真壁瑞希
こいつが、まるで口癖のように写している事じゃないか…。
真壁瑞希
……ならば、何故
真壁瑞希
こいつらは、
真壁瑞希
こんなにも、熱がこもるのだ。
真壁瑞希
わからない
真壁瑞希
あのヒロインは害悪のはずなのに
真壁瑞希
……。
真壁瑞希
「やめておけ」
真壁瑞希
そう聞こえたような気がした。
真壁瑞希
真実を見るだけ、傷つくだけだ
真壁瑞希
いつも、正しい事を写しているじゃないか
真壁瑞希
あんな世界は無視しても、死にはしない
真壁瑞希
時間は有限だ。
真壁瑞希
そんな馬鹿な事はするんじゃない
真壁瑞希
………
真壁瑞希
……………。
真壁瑞希
……ああ、やっぱり
真壁瑞希
お前の言う通り、つまらない世界だったよ。
真壁瑞希
………(パリンッ)
真壁瑞希
まったく、通りで…
真壁瑞希
やめられなくなる訳だ。
(台詞数: 50)