振り返らぬヤツが居る。
BGM
...In The Name Of。 ...LOVE?
脚本家
イッパイアッテサ
投稿日時
2015-10-11 22:20:44

脚本家コメント
かなり出遅れ感がありますが、
話題性バツグンだった、この瑞希の立ち絵から構想したドラマです。

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真壁瑞希
「……プロデューサー、ご感想をどうぞ。」
真壁瑞希
ーすまん瑞希。何から伝えればいいか分からない。というか、まず状況を掴み切れない。
真壁瑞希
(ー相談が有るので会議室に来てほしいと呼び出され、入室するや否や、この出題である。)
真壁瑞希
ー瑞希さんや。とりあえずお互い向かい合って話さないか。普段は俺の目をじっと見てるのに。
真壁瑞希
「今の私はもはや、昨日までの私と違うのです。昨日までの自分に、バイバイ。」
真壁瑞希
ーだから話が見えないんだよ、さっきから。……と言うか今の今まで、普通に話していただろうに。
真壁瑞希
ーははあ、分かったぞ瑞希。おおかた、新しいマジックでも習得したから、その準備をしてるのか。
真壁瑞希
「プロデューサー、当たらずとも遠からずです。平たく言うと、その推測はハズレです。」
真壁瑞希
ー……分かった分かった。取り敢えず瑞希、話を進めてくれ。相談が有るんじゃないのか。
真壁瑞希
「いえっさー。……みんなが居る前では話しにくい、今後の二人に関わる大事な相談、です。」
真壁瑞希
ーお〜い、瑞希さんやい。そう言う思わせぶりな表現は止めなさい。変な勘違いをするぞ、俺が。
真壁瑞希
「……ときにプロデューサー、世の中には実に様々なアイドルが、綺羅星の如くいます。」
真壁瑞希
ーそうだな。うちの事務所でも元看護師とか、聖母を自称する娘とか、幅広いな。
真壁瑞希
「最近知ったのですが、公演でもマスクを被ったままパフォーマンスするアイドルすら居るとか。」
真壁瑞希
ーまあ、飛び道具的な存在だがな。
真壁瑞希
「プロデューサー、私、愚考したのですが……
真壁瑞希
「プロデューサー、私、愚考したのですが……『後ろ姿』系アイドル、というのは如何でしょう?」
真壁瑞希
ー後ろを向いたまま活動する、ってことか?確かに奇抜ではあるが……
真壁瑞希
「決してファンには顔を見せない。歌唱もダンスも、むこう向きのまま。ミステリアスです。」
真壁瑞希
ーしかしだな。顔を覚えてもらえないとか、ファンとの交流が困難とか、デメリットが多そうだぞ。
真壁瑞希
「百も承知です。ですが、並のアイドルには無い『売り』もできます。」
真壁瑞希
ー『売り』って、具体的には何だ。
真壁瑞希
例えば、男の人がドキッとするポイント、「うなじ」を強調できます。
真壁瑞希
ーなるほど、確かにそこは後ろ姿だからこそ見てもらえるな。
真壁瑞希
ーしかし瑞希よ。うなじはいきなり目に留まるからドキッとするんだ。常時公開してはなぁ。
真壁瑞希
「それだけではありません。小さな肩、胸騒ぎの腰付き、健康的なヒップもアピールできます。」
真壁瑞希
ー瑞希の場合はセクシーさじゃなくて、折れそうな細さで、儚さや庇護欲を想起させるだろうがな。
真壁瑞希
……
真壁瑞希
ー瑞希。表情があまり動かないこととか、胸が乏しいことにコンプレックス感じてるのは分かる。
真壁瑞希
ーだがファンの皆んなはな。お前の表情がささやかに変わったのを見つけたのに、喜びを感じたり、
真壁瑞希
ーしなやかな身のこなしに魅了されたり、ファンのため様々な芸を習得する健気さを買ってるんだ。
真壁瑞希
ーそれを捨てて、自らイロモノアイドルになる必要は無い。表情の件は、二人三脚で克服するんだ。
真壁瑞希
ーお前の第一のファンである俺が言うんだ……俺を信じて、プロデュースを受けてくれないか?
真壁瑞希
「……」
真壁瑞希
ーどうした、瑞希?
真壁瑞希
「……表情のコンプレックスはともかく、プロデューサーから胸の件まで言われるなんて。」
真壁瑞希
「……ちょっとハートブレイク。」
真壁瑞希
ーえ〜、ソコ!?
真壁瑞希
「……今日は帰ります。このまま。さささささ。」
真壁瑞希
……
真壁瑞希
ー瑞希は掴み所がないからなあ。本当にショックだったのか、瑞希なりのジョークなのか。
真壁瑞希
ーともかくも、明日は顔を向き合わせて話さないとな。瑞希のテンションを下げるわけにはな。
真壁瑞希
「……」
真壁瑞希
「……熱い人だと思ってましたが。私の事を色々考えてくれてるんですね、プロデューサー。」
真壁瑞希
「仕事のためなのか……私のためなのか、プロデューサーは掴み所がないです。」
真壁瑞希
「もしも『私のため』だったら、なんて想像すると……ダメ、顔を合わせられないです。」
真壁瑞希
「……明日はちゃんと、顔を合わせて目を見て話さないと。頑張れ、瑞希。」

(台詞数: 47)