真壁瑞希
………ぐすん。
真壁瑞希
………。
真壁瑞希
………プロデューサー、ですか?
真壁瑞希
すんっ………えっと。その。
真壁瑞希
先程は、本番で失敗してしまい、すみませんでした。
真壁瑞希
お客様は、笑ってくれましたが…やはり、良い事ではありません。…大一番で、ミスするなんて。
真壁瑞希
…はい。なのでこうして、失敗した手品のタネと、にらめっこです。…じー。
真壁瑞希
………あの、プロデューサー。
真壁瑞希
………怒って…ますよ、ね。
真壁瑞希
…分かっています。私もプロとして、伊達や酔狂でなく、舞台に立ったのですから。
真壁瑞希
今日の私は、叱られて然るべきです。…叱ると然るをかけたギャグではありません。
真壁瑞希
………なんて、そのような冗談、今は言うべきではな──
真壁瑞希
…プロデューサー?急になでるとは一体…?それは野々原さんの専売特許で…。
真壁瑞希
いえ、嫌ではありません。ですが、予想外です。…慰めてくれている、のでしょうか。
真壁瑞希
『失敗を悔やむことは無い。今すべきは、笑って観てくれたお客様への感謝』…。
真壁瑞希
…そうですね、反省はこの後ひとりで出来ても、感謝は今しか、出来ません。
真壁瑞希
………ありがとうございます。自省のあまり、単純な事を忘れていたようです。
真壁瑞希
顔を上げて、真壁瑞希、一歩前へ。
真壁瑞希
顔を上げて、真壁瑞希、一歩前へ。…と、行きたいのですが。
真壁瑞希
今は少しお見せ出来ない顔なので、プロデューサー、しばしお待ち下さい。
真壁瑞希
それと…その、そろそろ、なでなでは終えていただいてもだいじょびゅでゅ…!
真壁瑞希
だ、大丈夫ですので。化粧直しをしたら、すぐ戻ります。
真壁瑞希
…はい、ではまた、後ほど。
真壁瑞希
………。
真壁瑞希
………今の顔は、いろんな意味で、お見せ出来ません。でも…。
真壁瑞希
プロデューサーには、気づかれていたかもしれません…なでられた…とき…。
真壁瑞希
ああ、いけません。また顔が、顔が。
(台詞数: 27)