早坂そら
……じゃあ今度は、手品を披露してるシーンを撮影しましょ、瑞希ちゃん。
真壁瑞希
了解です、早坂さん。今日は、できるネタを目一杯仕込んで来ました。
真壁瑞希
まずはハンカチを出して、ハンカチから鳩を出して、鳩がいつの間にかステッキに変わって……
真壁瑞希
そのステッキで、次の出し物、バトントワリングに移ります。イメトレは完璧です。
早坂そら
それだけ自信満々なら大丈夫そうね。じゃあ一気に披露してもらって、連写していくわね。
真壁瑞希
望むところです。……あ、早坂さん、もしも私が失敗しても、止めずに撮影を続けてください。
真壁瑞希
失敗したシーンなら……ある意味、『数が稼げる』のです。恥ずかしいですが。
早坂そら
……そうね。チャレンジを成功させるには、ハプニングはむしろチャンスかも。
真壁瑞希
そうです。私のミリオンチャレンジ……
真壁瑞希
そうです。私のミリオンチャレンジ……百面相ならぬ、「『765面相』を撮影しよう!」。
早坂そら
ある意味、私の力量が問われてるわけだからね。頑張ってみるね。
真壁瑞希
……早坂さん、ご迷惑をお掛けします。
真壁瑞希
感情を出すのが苦手な私の、細かい表情を捉えようとするのは、至難の業ですよね。
真壁瑞希
百分の一秒を狙うくらいの気苦労をお掛けするのではないでしょうか。心苦しいです。
早坂そら
……ふふふっ。瑞希ちゃん、プロのカメラマンを甘くみてるんじゃないかな。
早坂そら
多分瑞希ちゃんが言ってる百分の一秒は、私達にとっては百秒に等しいシャッターチャンスよ。
早坂そら
それにね。私は劇場のみんなの表情を、誰よりも沢山見てきてるわ。プロデューサーさんよりもね。
早坂そら
同じ緊張の表情でも、歌い出しの一瞬と、オーディションの結果発表の時は違うのも知ってるし、
早坂そら
穏やかなひと時でも、猫を撫でてるシーンと、未来ちゃん達を見守ってる時は違う。
早坂そら
……瑞希ちゃんは自分のことを表情に乏しいと思ってるかもだけど、本当はいろんな顔をしてるわ。
真壁瑞希
……そう、なんですか。
早坂そら
だから今日は良い機会だと思ってるわ。『無茶振り企画』と思わせて注目を集めておいて、
早坂そら
その実、瑞希ちゃんの魅力を発信できるの。プロデューサーさんの企画の妙、成功間違いなしね。
真壁瑞希
……
早坂そら
私、プロデューサーさんの事も瑞希ちゃんの達のことも、ずっと見てるから分かるの。
真壁瑞希
早坂さん、本当によく見てくれているんですね。嬉しいです。
早坂そら
……じゃあ、タイムスケジュールも押してるから、そろそろ取り掛かりましょ?
真壁瑞希
はい。……ところで早坂さん、以前から一つ心に引っ掛かっていることが有るのですが。
早坂そら
え、何のこと?
真壁瑞希
……以前、温泉旅行にみんなで行った時。朝風呂の一コマを撮影していただきましたが。
真壁瑞希
……なぜ早坂さんは、カメラ持参で男湯に入って来たのですか?それも、プロデューサーと一緒に。
早坂そら
……
早坂そら
……さあ、なんでかしらね?じゃあ、撮影に戻ろっか?
真壁瑞希
……早坂そらさん。私以上に表情が読めない人に出会う日が来るとは、考えもしませんでした。
(台詞数: 34)