黒井社長
…
黒井社長
(来ない、か。それも当然だな。)
黒井社長
馬鹿馬鹿しい真似をしたものだ、私らしくもない。
黒井社長
やはり王者は孤独でなくてはな。それこそが私に相応しい。
黒井社長
時間を無駄にしたな、帰るとするか…ん?
百瀬莉緒
マスター、もう一杯…え?いいでしょ別に。大人しく飲んでるだけじゃない、何か文句ある?
黒井社長
(あれはたしか、高木の所の…百瀬莉緒、だったか。)
百瀬莉緒
…うっさいわね、もう分かってるわよ。これだけ待って来ないんですもの、フラれたのよ。
黒井社長
(こいつ、正気か?アイドルが男と待ち合わせだと?)
百瀬莉緒
あーあ、今回こそはと思ってたのになあ。何で私はモテないんだろ。
黒井社長
(己を律する事も出来ず欲望の赴くままに、か。高木の所らしい甘ちゃんだ。)
百瀬莉緒
合コンの時はいい感じだったのになあ。1年後なら空いてるって言ってたの、何だったのかしら?
黒井社長
(…それは遠回しにお断りしていただけではないのか?)
百瀬莉緒
仕方ない、1人残念会と洒落込みますか…あら?
百瀬莉緒
げっ…何であなたがここにいるんです。
黒井社長
御挨拶だな。ここには貴様より先に来ていたのだが?
百瀬莉緒
あらそう…さっき私が話してた事、まさか聞いてないでしょうね?
黒井社長
知らん、私は今日はオフだ…聞かなかったことにしておいてやる、感謝しろ。
百瀬莉緒
…聞こえてたの?
黒井社長
聞かれたくない話ならもっと小声でやれ。自分から醜聞を撒くような真似は慎む事だな。
百瀬莉緒
す、すみません…
百瀬莉緒
それはそうと、何で1人でこんな所に?ここ、たいして高級なお店でもないのに。
黒井社長
余計なお世話だ。(…ガチャ)
黒井社長
!
音無小鳥
いた。莉緒さん、帰りましょう…あ、黒井社長。
百瀬莉緒
小鳥さん、何でここに?
音無小鳥
プロデューサーさんから頼まれたんです。莉緒さん、もしかしたらここに来てるかもって。
百瀬莉緒
プロデューサー君、私が話してたの覚えてたんだ…今日の事話したの、随分前だったのに。
音無小鳥
アイドルが言った事は忘れない人ですから。その他の事はあんまり覚えてませんけど。
百瀬莉緒
…今日、たしか終わったら2人で食事に行くって言ってなかった?
音無小鳥
ええ。言ったでしょう?自分の事はよく忘れる人なんですよ。
百瀬莉緒
…ごめんなさい。この埋め合わせはきっとするわ。
音無小鳥
いいんですよ、男性が迎えに来るわけにはいかないですし。アイドル優先なのは私もですから。
音無小鳥
それじゃ帰りましょうか…黒井社長、失礼します。
黒井社長
…ああ。
百瀬莉緒
小鳥さん、黒井社長に何も聞かないのね。なにか知ってるの?
音無小鳥
…あの人の大体の事は分かるんですよ、私も、それから高木社長も。
音無小鳥
ではこれで…あ、それと。
音無小鳥
お誕生日、おめでとうございます。
黒井社長
…ふん、余計な事だ。もう祝われて喜ぶ程幼くはない。
百瀬莉緒
え、何?誕生日なのに1人で飲んでたの。可哀想にねえ、慰めてあげよっか?
音無小鳥
莉緒さん!ほら、帰りますよ!
黒井社長
…音無小鳥。
音無小鳥
はい?
黒井社長
お前は今、その…いや何でもない。さっさとその酔っ払いを連れて帰れ。
黒井社長
…いつだったか。誕生日が近いならまとめてお祝いしましょうと言って、この店に2人で来て。
黒井社長
それ以来だったな、あの女がここに来たのは。だが…
黒井社長
マスター、会計だ。釣りはいい。もうここに来ることは無い、餞別代わりに取っておけ。
音無小鳥
(黒井社長。私は今、幸せですよ?アイドルや、大切な人がいますから。だから、あなたも…)
百瀬莉緒
小鳥さんごめんね~。そうだ、今度のお誕生日、プロデューサー君と2人っきりにしてあげる!
(台詞数: 50)