百瀬莉緒
唇は、内臓の粘膜の延長のようなものだって聞いたことがある
百瀬莉緒
だからなんだって話なんだろうけど、私はなんとなく素敵だなぁと思った
百瀬莉緒
キスをすれば、その人に食べられちゃうってことなのかもしれない
百瀬莉緒
食べて、食べて、溶けて、何も考えられなくなって
百瀬莉緒
そのうち私が私でなくなって、その人の中に落ちていくのかもしれない
百瀬莉緒
……はぁ
百瀬莉緒
唇が離れる瞬間が一番苦手
百瀬莉緒
顔なんて見られたくないし、途端に寂しくなっちゃうし
百瀬莉緒
またしたいなぁって思うんだけど、自分からなんて恥ずかしいし
百瀬莉緒
……恥ずかしいのは本当だけど、嘘
百瀬莉緒
結局こういうのって勢いだし、しちゃえばそんなこと考えなくなるし
百瀬莉緒
また食べられて、溶けて。どろどろ。
百瀬莉緒
頭がぼーっとするのは、考え事も食べられちゃったのかな
百瀬莉緒
奪い返すように、また唇が重なって。
百瀬莉緒
奪って、奪われて。
百瀬莉緒
奪い合いが終わったら、照れ臭そうに笑いあって
百瀬莉緒
残ったのは、たぶん幸せ
(台詞数: 17)