永吉昴
俺はとある噂を耳にし、その真相を確かめるためにここに来た。
永吉昴
なんでも無人のはずの家から奇妙な声がするという噂らしい。
永吉昴
そんな噂が町中に流れていて何とかしてほしいという依頼が俺の元に流れ込んできた。
永吉昴
正直気乗りはしなかった。なぜなら…俺は怖いものが苦手だったからだ。
永吉昴
なので適当に散策してからそんなものはなかったと報告しようと決めていた。
永吉昴
そして、無人の家に乗り込んだ俺はあるものを見た。
永吉昴
それは…そこに住んでいるであろう一人の少女だった。
永吉昴
……幽霊じゃないだろうな…と思い俺はその少女に話しかけた。
永吉昴
最初は何の反応もなかった彼女だが、俺は次第に興味が湧いてきた。
永吉昴
次の日も…その次の日も……俺は彼女が答えてくれるまで色んな事を聞き、色んなことを話した。
永吉昴
どうやら彼女は病弱な体質らしく、友達は疎か家族すらいないらしい。
永吉昴
なので俺は毎日彼女の元を訪れ、色んなことを話し、生きる希望を与えたかった。
永吉昴
そうこうしているうちに、俺の心の中にあるものが芽生えた。
永吉昴
それは…彼女への恋心だ。
永吉昴
彼女と話していると、不思議と心が落ち着き…胸がドキドキしてくる。
永吉昴
そして、俺は彼女とある約束をした。
永吉昴
……次の満月の夜に、彼女を連れて外の世界を見せるという約束を。
永吉昴
楽しみだった。
永吉昴
今までずっと籠りっきりの彼女が初めて外の世界に興味を持ってくれたのだ。
永吉昴
だが……
永吉昴
物事そう上手くいくはずがなかった…
永吉昴
約束の前日に俺のもとにとある依頼が来た。
永吉昴
とある鉱山で金を発掘して欲しいというものだった。
永吉昴
当然の如く断った。
永吉昴
しかし、依頼主がそれを許さなかった。
永吉昴
俺は何者かによって無理やり現場に連れていかれた。
永吉昴
何度も脱出を試みたが、失敗に終わった。
永吉昴
……約束の時間が過ぎていく。
永吉昴
俺は脱出するよりも依頼を早く遂行するほうが早く戻れると判断し急いで取り掛かった。
永吉昴
幸い、すぐに見つけることができた。
永吉昴
依頼を終えた俺は走った。
永吉昴
彼女の元へと走った。
永吉昴
……だが、遅かったようだ。
永吉昴
そこにはもう…彼女の姿はなかった。
永吉昴
俺は机の上に置かれた一通の手紙を発見した。
永吉昴
そこに書かれてある内容を読んで…俺は後悔した。
永吉昴
なぜもっと早く戻れなかったのか…。
永吉昴
なぜもっと早く彼女の気持ちに気づくことができなかったのか…。
永吉昴
その手紙には…彼女が零したであろう涙の跡と…
永吉昴
たった一言…
永吉昴
『愛していた』と書かれていた…
(台詞数: 41)