永吉昴
よっし!ここら辺で良いかな!体操隊形に広がって!
ジュリア
連れて来られたは良いけど何するつもり?
永吉昴
とりあえずさっきの話でもしながらキャッチボールでもしようかと思って。
ジュリア
ああなるほど、キャッチボールねなるほど。
永吉昴
何その反応。もしかしてジュリアって見かけに似合わず運動オンチとか?
ジュリア
おいおいそんな訳ねぇだろ。昔はキャッチボールの鬼ぷぅちゃんとして恐れられてたし!
永吉昴
キャッチボールのような協力系の競技で恐れられちゃだめだと思うけど。
ジュリア
えっと。まずこの茶色いものを……
永吉昴
グローブね。ってかその次元で知らないの!いや今までの人生で触れるだろ普通!
ジュリア
知ってる知ってる。このグローブを被ったお互いをリーダーとしてこの白い球を取り合うゲーム。
永吉昴
おいまさか日本人のくせに本当にキャッチボールを知らないっていうのか!?
ジュリア
冗談は置いといて、さっきの話ってずっと言ってる夢の話?
永吉昴
そうそう、なんなのかなって思って。
ジュリア
なんなのかなって言われても……夢は夢だろ?気にすんなよ。昴らしくもない。
永吉昴
いや、普段の昴ちゃんなら気に留めないんだけどさ、何度もその夢見るから……
永吉昴
今週だけでもう15度回も見てるんだよね。
ジュリア
兎にも角にも昼寝しすぎだろ!まだ週の半ばだってのに小刻みに寝過ぎ!
永吉昴
だってさ、その夢に出てくる女の子、すごく可愛いんだよね!あれは何度も見たくなるって!
ジュリア
あ、じゃああれじゃないの?昔の知り合いとの記憶とか。
永吉昴
いんや、あんな見目麗しい知り合いいなかったはず!たぶん!
永吉昴
あ、あと。普通の夢じゃないっていう証拠がその夢子ちゃんの発言にあるんだよね。
ジュリア
……へえ、なんて言ってた?
永吉昴
それが全っ然わかんないんだよね!
ジュリア
なんだよ!今やっと興味が出てきてたのに!ってかそれが何で普通の夢じゃない事になるんだよ。
永吉昴
だってオレの夢なら俺が分からない事言うはずないじゃん?なのにいつもおんなじ事喋ってるし……
ジュリア
もしかしてスピリチュアルな話?
永吉昴
わかんないけどさ……ただ……
ジュリア
良いから言って。
永吉昴
奇跡って、なんなんだろう……
ジュリア
また急に何だよ。
永吉昴
その夢子ちゃんが、なんかそんなことばっか言ってて。もしかしたら、オレが望んでるのかもだし。
永吉昴
そんなに奇跡を望んでるって、なんかやだなって思って。
ジュリア
それこそ最初の「気にすんな」なんだけど、別に望んでても良いんじゃねえの?
永吉昴
え、そう?でもそれって今の環境に満足してないってことなんじゃないの。
永吉昴
それってなんか悪い気がする。皆とか、ジュリアとかに。
ジュリア
昴……あのな奇跡ってのは
ジュリア
あ、やっぱやめとく。
永吉昴
ええ!気になる最後まで言ってよ!
ジュリア
いや、なんかこれ以上言ったらなんか安っぽくなりそうで。
ジュリア
ま、とにかく。何が起こっても昴らしく構えてりゃいいんだって。
ジュリア
……結局こんな感じの言い方になったけど。
永吉昴
なるほど……、こんな感じかな?
ジュリア
……ちなみに聞くけどそれは?
永吉昴
オレらしく構えてるんだ!そこらの力士像ぐらいなら打ち払えそうでしょ?
ジュリア
……まあいっか。なあ、そろそろ帰ろうぜ。今日は全員で集まる日だろ?
永吉昴
そうそう、新しい子が来るんだって!どんな子か知ってる?
ジュリア
詳しくは知らないけど、なんか読書好きとかいう噂。
永吉昴
え。なんかいきなり雲行き怪しくなってきたけど、仲良くなれるかな?
ジュリア
……だからさっき言っただろ?昴らしくしてりゃ奇跡も起こるかもだし。
永吉昴
そうだよな!流石ジュリア!女投げのクセに頼りになる!
(台詞数: 50)