高木社長
『ん~、清々しい天気だ。こんな日は、公園でのんびりと過ごしたいものだねぇ』
高木社長
『……まぁ、私はそういうわけにもいかないがねぇ。ハッハッハ!』
高木社長
『………………』
高木社長
『………………ん?』
北上麗花
『~♪~~♪♪』
高木社長
『あの子は確か……』
北上麗花
『~♪……ふぅ』
高木社長
『<パチパチパチ!>』
北上麗花
『!?』
高木社長
『いやはや、素晴らしい!やはり、黒井の見る目は確かだったのだね』
北上麗花
『あなたは?』
高木社長
『おっと失敬。私は765プロの社長、高木という者だ』
北上麗花
『765プロ……あぁ、あの人がいる事務所ですか』
高木社長
『先日のITMC、お見事だったよ。ウチのトップを倒した実力者と、こんな形で逢えるとは』
北上麗花
『………………』
高木社長
『どうしたのかね?』
北上麗花
『あの時の優勝は……私の実力ではありません。今囁かれている噂、あなたもご存じでしょう?』
高木社長
『……あぁ、審判の買収疑惑だね。私も聞いているよ。仮にそれが本当だとしても……』
高木社長
『アイツの事だ、全力で揉み消しに掛かるだろうねぇ』
北上麗花
『私、それで961プロが嫌になって、他の事務所に移籍しようと思って動いてたんですけど……』
高木社長
『「北上麗花移籍を引き抜き行為として、事を公の場に晒す」と、黒井に言われたのだろう?』
北上麗花
『!?』
高木社長
『なに、知人から聞いた話だ。北上麗花獲得に動こうとしたら、黒井から電話があった、とね』
高木社長
『今、実害が無いにしても、そんな厄介な所から移籍したとあれば、後々害を被るかも知れない』
高木社長
『だからどこの事務所も、君を受け入れてはくれなかったのだろう?』
北上麗花
『………………』
北上麗花
『まるで、961プロに入る前に戻ったみたいです……』
高木社長
『961プロに入る前?』
北上麗花
『歌も駄目、バトルも駄目。誰も私を受け入れてくれなかったあの頃と……まるで同じ……』
北上麗花
『居場所が見つかったと思った事務所も、あの有り様……。教えてください、高木さん』
北上麗花
『私は一体、いつになったら笑えるのでしょうか?』
高木社長
『………………』
北上麗花
『「真の王者は孤高であるべし」と、黒井社長に言われてから、私はずっと独りでいました』
北上麗花
『仲間なんていない、笑う事も無い。そんな状態で、私は今までやってきました』
北上麗花
『最後に笑ったのがいつなのか……それすらも、私は思い出せないんです……』
高木社長
『………………』
高木社長
『(黒井よ……これがお前の理想とする、アイドルトレーナー像なのか?もしそうならば……)』
高木社長
『(あまりにも寂し過ぎる……)』
高木社長
『(しかしこればかりは、私にもどうする事も出来ない。こちらもあらぬ噂を立てられると……)』
高木社長
『………………』
高木社長
『………………む!ティンときた!』
北上麗花
『?』
高木社長
『北上君、君さえ良ければ、我が765プロに来ないかね?』
北上麗花
『え……でも、そちらに行っても結局は、引き抜きって言われる筈ですし……』
高木社長
『うむ、それは私もよく分かっているよ。だから君には……』
高木社長
『1度現役を引退してもらいたいのだよ』
北上麗花
『引退!?』
高木社長
『そうした上で、ウチに職員として入社するんだ。ほとぼりが覚めたら、現役復帰するといい』
高木社長
『そうすれば、さすがの黒井も引き抜きだと難癖を付ける事も出来ないだろう』
高木社長
『悪い話ではないと思うが……北上君、決めるのは君自身だ。ゆっくり考えたまえ』
(台詞数: 50)