北上麗花
『………………』
黒井社長
『突然尋ねて来て、一体何の用だ?』
北上麗花
『先日のITMCについてです。街を歩いている時、小耳に挟んだのですが……社長、あの試合で』
北上麗花
『審判を買収したという話……本当ですか?』
黒井社長
『………………』
黒井社長
『何を言うかと思えば……貴様はその噂を信じていると言うのか?』
北上麗花
『私は真実を知りたいだけです』
黒井社長
『それを知って何になる?貴様はどうすると言うのだ?』
北上麗花
『………………』
北上麗花
『仮にこの噂が本当だったとして、今更どうにもなりません』
北上麗花
『社長、仰いましたよね?“真の王者は孤高であるべし”と……』
北上麗花
『私はずっと、それを信じてやってきました。現に、社長の方針のおかげもあって』
北上麗花
『私はここまで強くなれました。その件については、感謝しています』
北上麗花
『でも……』
黒井社長
『………………』
北上麗花
『もし、噂が本当なら……私はまだ、社長に認められていないという事になります』
北上麗花
『社長……私はまだ、社長のご期待に応えられていませんか?』
北上麗花
『今の私に……まだ足りない物があるのですか?』
黒井社長
『………………』
黒井社長
『言いたい事はそれだけか?』
北上麗花
『!?』
黒井社長
『貴様……ここに来る前の事、忘れたわけではあるまいな?』
北上麗花
『そ、それは……』
黒井社長
『歌もパフォーマンスも人並み以下。あまりに才能が無いために』
黒井社長
『様々なプロダクションを転々としていたところを、この私が拾ってやったのだぞ?』
北上麗花
『は、はい……なので、その点については……感謝して……』
黒井社長
『感謝していると言うのならば、大人しく私に従っておけ』
北上麗花
『で、ですが!審判の買収については、話は別です!もし買収が本当なら!』
北上麗花
『そんな事をしてまで勝ちたくありません!そんな事をしなければならない程、私は弱くなんて』
黒井社長
『自惚れるな!』
北上麗花
『っ!』
黒井社長
『歌唱力とパフォーマンスは多少マシになったものの、バトルの実力はまだまだだ』
黒井社長
『私がいたからこそ、貴様はここまで成長する事が出来た。そうだろう?』
北上麗花
『は、はい……ですが……その……』
黒井社長
『宝石というのは、磨いてこそ真の輝きを放つ』
黒井社長
『貴様なぞ、私が磨かなければその辺に転がっている石ころも同然だ』
黒井社長
『私は貴様を磨くために、少々荒い方法を使った、ただそれだけだ』
黒井社長
『これで分かったか?身の程を知ったのならば、大人しく従え』
黒井社長
『従えないのなら、961プロを去れ。最も、今更貴様に行き先も無いだろうがな』
北上麗花
『………………』
黒井社長
『話はこれで終わりだ、下がれ』
北上麗花
『………………』
北上麗花
『失礼……しました……』
北上麗花
<ガチャッ………………バタン>
(台詞数: 44)